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「食べたいものは早く取らないとな」正月の料理を次々と取る夫の叔父。だが、祖母が取り皿を見て告げた言葉

  • 2026.11.8
「食べたいものは早く取らないとな」正月の料理を次々と取る夫の叔父。だが、祖母が取り皿を見て告げた言葉

正月の食卓で起きたこと

結婚1年目の正月、私は初めて夫の実家に帰省しました。親戚も集まり、座敷の大きな座卓には10人ほどが並んでいました。

夕食には、刺身や煮物などの大皿料理が次々と運ばれてきました。

「おいしそうですね」

私が隣の義母に話しかけると、義母も笑顔でうなずきました。

みんなで料理を囲む、にぎやかなお正月の食卓でした。

ところが、食事が始まって間もなく、私は向かいに座る夫の叔父の行動が気になり始めました。

義父や夫が少しずつ料理を取る一方で、叔父は脂ののった刺身を何枚も自分の取り皿に移していたのです。

大きな海老にも次々と箸を伸ばし、取り皿には料理が山のように積み重なっていきました。

「叔父さん、ちょっと取りすぎじゃない?ほかの人の分もあるんだから」

夫が声をかけましたが、叔父は気にする様子もありません。

「正月くらい好きに食わせろ。早い者勝ちだろ」

そう言って、また刺身に箸を伸ばしました。

私が大皿を見たときには、楽しみにしていた刺身や海老はほとんど残っていませんでした。

「あれ、もうこんなに減っちゃったんですね…」

思わずつぶやくと、叔父は笑いながら言いました。

「食べたいものは早く取らないとな」

悪びれた様子のない叔父を前に、私は返す言葉が見つかりませんでした。

祖母が静かに伝えたこと

そのとき、上座に座っていた夫の祖母が静かに箸を置きました。

「あんた、ちょっといいかい」

祖母の声に、叔父が顔を上げます。

「なんだよ」

「そのお皿、ずいぶんたくさん取ったね」

叔父は自分の取り皿を見下ろして、笑いました。

「だって、うまそうだったからな」

すると祖母は、落ち着いた声で続けました。

「おいしいものを食べたいのは、あんただけじゃないんだよ」

叔父は黙って祖母を見ました。

「今日は10人も集まってるんだから。最初の人が好きなだけ取ったら、後の人はどうするの。みんなで食べるために用意した料理でしょう」

祖母は怒鳴ることもなく、ただ当たり前のことを伝えていました。

「いや、そんなつもりじゃ……」

叔父は言いかけましたが、祖母はもう一度、大皿のほうに目を向けました。

「好きなものがあるなら、みんなが取ってから、もう一度取ればいいんだよ」

その言葉に、叔父は自分の取り皿を見つめ、黙って箸を置きました。

義母も小さくうなずいていました。私も祖母の言葉を聞いて、少し気持ちが軽くなりました。

次の正月、叔父は最初に少しだけ刺身を取ると、大皿を隣の人へ回していました。

祖母の顔をちらりとうかがう叔父を見て、私は思わず笑いそうになりました。

特別なごちそうだからこそ、みんなで気持ちよく食べたい。祖母の言葉は、そんな当たり前のことを思い出させてくれたのでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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