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「香典なんて気持ちでしょ?」祖父の葬儀に3000円を包んだ親戚。だが、四十九日の席で叔母が静かに口を開いた理由

  • 2026.11.8

葬儀の受付で聞いた言葉

子どものころから、私は祖父が大好きでした。

遊びに行くと膝に乗せて、昔の話を聞かせてくれたものです。

そんな祖父が亡くなり、葬儀に参列することになりました。

香典は夫と相談して3万円にしました。

夫も、自分の分としてさらに多めに包んでくれました。

葬儀の日の昼、私が受付の近くにいると、同じ年ごろの親戚の女性がやって来ました。

子どものころ、お正月になると祖父の家で顔を合わせていた相手です。

「久しぶり。香典ってさ、身内はいくらでもいいんだよね?」

「え?どういうこと?」

「だって、家族みたいなもんじゃない。そんなに気を遣わなくてもいいでしょ」

女性はそう言って笑うと、受付に香典袋を渡し、席へ向かいました。

私は少し引っかかりましたが、その場では何も言いませんでした。

葬儀のあと、祖父の娘である叔母から電話がありました。

「先日はありがとうね。父も喜んでると思うわ」

しばらく話していると、叔母はあの女性が包んだ香典は3000円だったと教えてくれました。

女性は子どものころ、毎年お正月に祖父の家へ来て、お年玉をもらっていた人です。

香典の金額は、それぞれの事情もあるので一概には言えません。

ただ、受付で聞いた言葉を思い出すと、何とも言えない気持ちになりました。

四十九日の席で叔母が伝えたこと

四十九日の集まりは、祖父の家の座敷で開かれました。

親戚たちと食事をしながら祖父の思い出を話していると、あの女性がふと口を開きました。

「そういえば、香典ってみんなどのくらい包んだの?私、けっこう少なめだったんだよね」

突然の話題に、私は少し戸惑いました。

「そういう話は、今しなくてもいいんじゃない?」

「え?なんで」

「いや、なんでって言われても」

「じゃあ、いいじゃない。香典なんて気持ちでしょ?」

私は言葉に詰まりました。

確かに香典は金額だけで判断するものではありません。

でも、祖父を偲ぶ席で、わざわざ金額を話題にすることには抵抗がありました。

そのとき、上座の近くにいた叔母が静かに口を開きました。

「お年玉は毎年もらいに来てたのにね」

「え…?」

「父は、あなたがお正月に来るのを毎年楽しみにしてたのよ」

叔母は少し間を置いて続けました。

「香典はいくらじゃなきゃいけない、なんて言うつもりはないの。ただ、こういう席で言われると、ちょっと寂しいわ」

女性は叔母を見たまま、黙ってしまいました。

近くにいた親戚が小さく「そうね」とつぶやき、話はそこで途切れました。

その後、女性は食事の途中で席を立ち、早めに帰っていきました。

みんなが帰ったあと、私は叔母と並んで祖父の写真の前に座りました。

「あなたは、父の膝の上が指定席だったわね」

叔母が懐かしそうに笑いました。

私も子どものころを思い出し、写真の中の祖父を見つめました。

香典の金額よりも、祖父と過ごした時間を大切に覚えていたい。そんなことを思った四十九日でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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