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「何の音だ?」夜中のアパートで聞こえた不気味な音。ひとり暮らしの大学生が炊飯器を開けて驚いた理由

  • 2026.10.14

夜中の部屋から聞こえた、奇妙な音

今から40年以上前、私は大学に通いながら、学生向けの小さなアパートでひとり暮らしをしていました。

片づけが苦手で、床には教科書や洋服が散らかりっぱなしでした。

ある夜中、布団の中でうとうとしていると、どこからか妙な音が聞こえてきました。

グツ、グツ。

何かを煮ているような音です。音は大きくありませんが、夜の静かな部屋では、妙にはっきり聞こえました。

「…何の音だ?」

布団から起き上がると、急に怖くなりました。誰かが部屋へ忍び込み、勝手に何かを煮ているのではないか。

今思えばおかしな考えですが、そのときは本気でそんなことを疑っていました。

枕元の電気スタンドをつけ、まず台所のこんろを確認しました。つまみはどれも閉まっていて、火もついていません。

それなのに、耳を澄ませると、まだ音がします。

「…誰かいるのか?」

泥棒でないなら、まさか幽霊でもいるのか。

気味が悪くなった私は、押し入れのふすまをそっと開けました。

でも、中にあるのは布団と段ボールだけ。机の下や本棚の裏も確かめましたが、何も見つかりません。

いったいどこから聞こえるのだろう。立ち止まって耳を澄ますと、どうやら音は部屋の隅からしているようでした。

炊飯器のふたを開けて、思い出したこと

そこには、小さな炊飯器が床に置きっぱなしになっていました。

表面にはうっすらとほこりがついています。

私はしゃがみ込み、恐る恐るふたを持ち上げました。

「えっ、これ…?」

中に入っていたのは、白く濁った水に浸かったお米でした。表面には細かい泡が浮き、かすかにプクプクと音を立てています。

私はしばらく、その光景を見つめてしまいました。

「炊飯スイッチ、押したっけ?」

そこで、ようやく思い出しました。

1週間以上前の晩、米を研いで水に浸したところまではよかったのですが、肝心の炊飯スイッチを押し忘れ、そのまま放置していたのです。

どうやら、炊かずに放っておいた米が中で発酵し、泡を出していたようでした。

鍋で何かが煮えていたわけではありません。

「……なんだ、おまえか」

一気に力が抜け、その場にへたり込んでしまいました。

泥棒だの幽霊だのとおびえながら部屋中を調べたのに、音の正体は自分で研いだお米。

おかしくなって、夜中にひとりで声を上げて笑ってしまいました。もちろん、お米は食べずに捨てました。

翌日、大学で友人に話すと、友人は腹を抱えて笑いました。

「おまえの部屋、米がしゃべるのか」

「しゃべってないよ。泡が出てただけ。こっちは本気で怖かったんだから」

それ以来、米を研いだら、炊飯スイッチを押したかどうか2回確かめるようになりました。

60代になった今も、その習慣は続いています。

先日、娘に「どうしていつもそんなに確かめるの?」と聞かれ、あの夜のことを話しました。

「昔、お米にひと晩じゅう脅かされたことがあってな」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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