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アブダビに日本の暴走族がコンセプトのバーが誕生。最新技術を駆使した「音を飲む」リスニングバーとは

  • 2026.10.13
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ユニークなコンセプトのスペースが続々とオープンしドバイに次ぐディスティネーションスポットとして世界中から注目を集めるアブダビ。日本食やアニメなど日本カルチャーが根付くこの地に、2025年11月、ジャパニーズHi-Fi カクテルバー「SaiKinDo(最近どう)」がオープンした。ジャパニーズHi-Fiカクテルバーとは? なぜ「最近どう」? いくつもの?を解明しに2026年2月上旬に現地を訪れたバーライターの児島麻理子さんがレポート。

※1AED=¥43.16 ※2026年10月現在

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日本の音楽文化とカクテルの融合

ジャパニーズHi-Fiカクテルバーとは、日本式の音響へのこだわりとカクテル文化が融合したバーのこと。ヴィンテージスピーカーやターンテーブルなど音楽を最良の状態で聴くための設計がされた空間で、アナログレコードを流す、そんな日本のリスニングバーの文化が、いま海外で新たな日本文化として受け入れられている。そこにクラフトカクテルの文化を組み合わせることが、ニューヨークやフランス、そして中東のアブダビへも広がりを見せはじめた。

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昨年11月にオープンした「SaiKinDo(最近どう)」は、その最先端の形だ。デザインコンセプトは「日本のメタボリズム建築」と「暴走族」。カプセル(細胞)の集合体のようなSF的な未来感と、構造的合理性のあるメタボリズム建築。そしてカラフルでエネルギーにあふれた暴走族の意匠。これらは「SaiKinDo」のチームが日本のイメージをリサーチするなかで、創造性を刺激するモチーフとして取り入れられたもの。

中東のラグジュアリーホテルのバーの壁に、和彫りの入れ墨のようなトラや、ウルトラマンやゴジラなど日本の代表的なモチーフまでが、線の太い刺繍によりモダンに表現された姿は圧巻だ。

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アニメモチーフの刺繍が施されたラウンジスペース。

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日本を愛する最強チームを結成

細部まで日本へのリスペクトを感じられる「SaiKinDo(最近どう)」だが、気になるのは、そのネーミング。ジェネラルマネージャーのボブ・スリさんは店舗のオープンにあたり、数度日本に訪れ、その経験をバーコンセプトに落とし込んだ。

「“最近どう?”という言葉は、その響きのよさもありますが、相手のことを気遣う日本らしい表現だと思い、店名に決めました。心地よい静寂とエネルギッシュな輝き、そしてアートと革新とおもてなしが響き合う場所にしていけたらと思っています」(ボブ・スリ氏)

チームを率いるのは、ビバレッジディレクターのマルコ・コラッロ。世界で最も影響力のあるランキングThe World's 50 Best Barsで4年連続の世界一の経歴があるロンドン「アルティザン」出身の実力派バーテンダーだ。

ヘッドミクソロジストはバンコクの人気バー「バンブーバー」出身のアン・ピンスダー。日本のバー文化や、日本カルチャーにも興味が深く、誇りをもって今回の開発に取り組んだ。

写真左からマルコ・コラッロ(ビバレッジディレクター)、スラメット・ワヒュンディ(ヘッドシェフ)、アン・ピンスダー(バンブーバー)

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レセプションに併設されたアトリエ・ゾーン

レセプション(写真下)には、刺繍の入った非売品のヴィンテージのスカジャンとともに、日本のパートナーと選んだ少量生産のアパレルや器などが販売用に並ぶ。

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また、フードが充実しているのも特徴だ。日本のバーフードから着想を得たカツサンドや、天ぷら、あて巻きなどカクテルと楽しめるものをラインアップ。ただし、ラグジュアリーな居酒屋体験として、カツサンドは神戸ビーフ、餃子もA5和牛を使用するなど、素材に妥協はない。焼き鳥に特化した「ヤキトリルーム」ではコースで楽しむこともできる。

写真左から/神戸和牛かつサンド 350 AED、マグロクランチ(巻き)120 AED、手羽先(焼き鳥) 70 AED

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A面、B面で構成された12種類のクラフトカクテル

リスニングバーに合わせたカクテルのコンセプトは、“味の響き”。音楽をモチーフにその味わいをAIに分析させて、それをバーテンダーが落とし込むというAIと協業する試みだ。

例えば、アンダーソン・パークの「Am I Wrong(私が間違っていますか?)」。コード進行がGメジャー、曲のテンポは115 BPM、ジャンルはグルーブソウルで、歌詞のトーンはポジティブな喜びや変化への確信。そこからAIが導きだした味わいは、甘み35%、酸味15%、塩味5%、うま味15%、苦味30%、シトラスの効いたジンクリームフィズが合うというもの。

そこに応え、マルコのチームでは、ウイスキーと焼酎がベースのオールドファッションドを構築。山椒、ミツバチの花粉で香りづけし、ガーニッシュにバルサミコと柚子をトリュフ状に固めたものを添えている。

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こうして作られたシグネチャーカクテルはSIDE1、SIDE2で12種類。マルコ自身が好きなヒップホップから作ったのは、THE NOTORIOUS B.I.Gの「BIG POPPA(ビッグポッパ)」。まるで音を視覚化したように、角の立った柚子チョコレートがふたとなっており、ふたを開けるとスモークが現れる仕掛けとなっている。

メキシコの蒸留酒「ソトル」にワサビを効かせ、カンパリ、そしてトマトとみりんのだしで割った複雑味のあるカクテルで、ヒップホップサウンドの力強さを感じる味わいだ。

「AM I WRONG」(私が間違っていますか?)AED65

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また、人気のドラマシリーズ「ストレンジャーシングス」の挿入歌として人気が再熱しているダイアナ・ロスの「UPSIDE DOWN」(逆さま)もラインアップされる。ニッカウイスキーをベースに、エルダーフラワーリキュールやココナツヴェルモットで風味づけされ、トップにヨーグルトフォームのブリオッシュが乗ったカクテルは、ウイスキーの個性と裏腹の甘く可憐な世界観で、こちらの想定をひっくり返す。

シンディ・ローパーの「TIME AFTER TIME」(何度も)は、チョコレートとストロベリーを効かせたピスコに、グレープフルーツソーダとにごり酒でアップしたカラフルな印象のカクテルに。時が繰り返されても常にそばにいるという愛を歌うこの曲ならではの、温かく受け止める親密さを感じられるカクテルだ。

趣向を凝らしたカクテルはもちろん、カウンターにDJが入り、スタンディングで歌って踊れるスペースがあるのは海外のHi-Fiカクテルバーならではの楽しみ方。海を越えて進化する日本のリスニングバーは、トレンドとしてウォッチしてほしい。

写真左から/BIG POPPA(ビッグポッパ) AED60、「UPSIDE DOWN」(逆さま)AED65、「TIME AFTER TIME」(何度も)AED55

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SaiKinDo

住所/Four Seasons Hotel Abu Dhabi at Al Maryah Island, Al Maryah Island, P.O. Box 130097, Abu Dhabi, UAE
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電話番号/+971-2-333-222
https://www.saikindo.com/
Instagram/@saikindo

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