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昨日まで普通の中学生だったのに…中学2年生でがんを告知され、日常から切り離された少女の「小児がん」闘病記録【書評】

  • 2026.9.27

【漫画】本編を読む

『中学生でがんになりました ~腹痛から始まった小児がんの記録~』(つきママ/KADOKAWA)は、中学2年生という若さでがんを告知された少女の闘病生活を描いたコミックエッセイ。治療の苦しさだけではなく、学校生活や友人関係など、小児がんになった子どもが直面する現実を描いた作品だ。

主人公は中学2年生の莉子。もともと友人関係に悩みを持っていた彼女は、たびたび襲ってくる腹痛は「きっとストレスのせい」と思い込み、誰にも相談せずに我慢していた。しかしある日、強烈な吐き気と、いつにも増して激しい腹痛に見舞われ、病院で診てもらうことに。そこで医師から告げられたのは、「がんが見つかりました」という衝撃的な言葉だった。

昨日まで普通に学校に通っていた中学生が、突然がん患者になるというのは想像するにあまりある過酷さだ。そして入院生活が始まり、抗がん剤の副作用に苦しみ、当たり前だった日常から切り離されていく。しかも莉子は病気と向き合うだけでなく、思春期ならではの葛藤にも苦しむことになる。周囲の友人たちはこれまで通り学校へ行き、変わらない毎日を過ごしているのに、自分だけが取り残されていく。その孤独が「病気と闘う」だけでは語れない、小児がんの現実であると気付かされる。

そんななかで、莉子を支える家族や友人、そして同じようにがんと闘う同年代の患者との出会いによって、彼女は少しずつ自分の置かれた状況と向き合っていく。何気なく過ごしていた学校生活や友人との時間、家族と過ごす毎日が決して当たり前ではなく、かけがえのないものだったことにも気づいていく。

本作は小児がんの厳しい現実を伝えながら、同時に目の前の日常の尊さにも気づかせてくれるはずだ。小児がんという病気について知るためだけではなく、それに立ち向かう子どもたちがどんな思いを抱えているのか、どんなことを求めているのか、そしてそんな子どもたちにどんなことをしてあげられるかを知るためにも、より多くの人に手に取ってもらいたい作品である。

文=時任邪武郎

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