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「当面使わないお金だから」“500万円”を郵便局の定期預金に入れた50代女性→30年後、自宅に届いた“1通の催告書”に「嘘でしょ…」

  • 2026.10.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!現役銀行員ライターの加藤隆二です。

「当面使わないお金だから、安全な郵便局に預けておけば安心だ」

そう思ってタンスや金庫の奥に通帳を眠らせてはいませんか?実は、2007年(平成19年)9月30日の郵政民営化前に預け入れた定額・定期・積立郵便貯金には旧郵便貯金法が適用され、満期日の翌日から20年経過すると払い戻しの権利が消滅するリスクがあります。

今回は現役銀行員のわたしが、旧郵便貯金の権利消滅ルールについてお伝えします。

「安心」のつもりが…預けた500万円の行方

「当面使わないお金だから、安全な郵便局に預けておけば安心でしょう」

今から30年ほど前、当時50歳だったA子さんは、親から相続したお金の一部である500万円を郵便局の定額郵便貯金に預け入れました。元本保証で、長く預ければそれなりに利息も増えた時代。A子さんは通帳を大切に金庫の奥にしまい込み、すっかり安心して日々を過ごしていました。

それから30年が経過したある日、80歳になったA子さんの自宅に「1通の催告書」が届きます。封を開けて内容を確認したA子さんは、思わず「嘘でしょ…」と絶句しました。

そこには、大切に預けていたはずの郵便貯金500万円の「権利が消滅する」という信じがたい事実が記載されていたのです。

※以下、本記事の内容は断りのない限り執筆時現在・2026年10月時点の法律等に基づいています。

なぜ500万円は消えてしまうのか?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

現役の銀行員として長年金融の現場を見てきた私から見ても「郵便貯金の権利消滅」は、ルールとはいえ怖いと感じています。

郵政民営化前である2007年(平成19年)9月30日以前に預け入れた「定額郵便貯金」「定期郵便貯金」「積立郵便貯金」には、旧郵便貯金法が適用されます。この法律によれば、満期日の翌日から20年が経過すると、払い戻しの権利が消滅してしまうのです。

定額郵便貯金の場合は、預け入れから10年で満期となり、そこからさらに20年、つまり預け入れから約30年で権利消滅の対象になります。

正確には、満期日から20年経過後に「権利消滅のご案内(催告書)」が発送され、その発送からさらに2か月(計20年2か月)経過しても請求等の手続きをしない場合、そのお金は原則として「国庫に収納」されてしまいます。つまり、国のものになってしまうわけです。

また、引っ越しの際に住所変更の届け出をしていないと、催告書が手元に届かないまま権利が消滅してしまうこともあります。

救済措置はある?手遅れになる前にすべきこと

「自分のお金なのに取り上げられるなんて納得できない」と思うかもしれません。原則として権利消滅後は払い戻しができませんが、天災や海外滞在、長期の入院・親族の介護といった「真にやむを得ない事情」があったと認められる場合は、個別審査のうえで払い戻しが受けられるケースもあります。しかし、単に「忘れていた」「知らなかった」という理由で取り戻すのは困難なようです。

大切な資産を守るためにも、以下の点をご自身やご家族で確認してみてください。

  • 古い証書や通帳の有無:タンスの奥や金庫に、2007年9月30日以前の郵便貯金の通帳が眠っていませんか?
  • 満期日の確認:記載されている預入時期や満期日をチェックしましょう。定額郵便貯金は、預入日から10年後が満期日です。

もし古い通帳が見つかった場合や、存在の可能性がある場合は、決して「もう使えない」と自己判断して捨てないでください。まずは最寄りのゆうちょ銀行店舗や郵便局の貯金窓口へ行き、現存調査や払い戻しの相談をすることが重要です。

お金は「預けっぱなし」が一番のリスク

安全第一で預けたはずのお金が、制度の落とし穴によって消滅してしまう。このような悲劇は、決して他人事ではありません。

「自分が預けたお金のことを忘れるなんて、理解できない」という人もいるでしょう。しかし長年の銀行員としての経験から申し上げると、自分の預金を忘れてしまう人は現実にいらっしゃいます。だからといって、そういう方が大富豪かというと、決してそうではありません。ですからご自身では大丈夫と思っていても、ご両親や祖父母など周りのご家族にも、是非目を配ってあげてください。

「当面使わないから」と思っても、お金は生き物です。定期的に口座を整理し、現在どうなっているのかを把握する「管理の目」を持つことが、一番の資産防衛と言えるでしょう。


執筆者:加藤隆二
現役銀行員ライター。銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。


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