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「お弁当、忘れずに持ったよ」得意げに登校した中学生の息子。しかし、出勤前の父親が玄関で見つけたものに思わず笑った

  • 2026.10.13
「お弁当、忘れずに持ったよ」得意げに登校した中学生の息子。しかし、出勤前の父親が玄関で見つけたものに思わず笑った

お弁当を忘れなかった息子

もうずいぶん前、息子が中学校に上がったばかりのころの話です。

その日は学校の給食がなく、弁当を持っていく日でした。

妻はいつもより早く起きて台所に立ち、卵焼きを焼いたり、小さな弁当箱におかずを詰めたりしていました。

息子は、普段から忘れ物の多い子でした。体操服や上履きを忘れ、妻が学校まで届けたことも一度ではありません。

ところが、その朝の息子は妙に自信たっぷりでした。

妻から弁当の包みを受け取ると、両手で大事そうに抱え、玄関へ向かいました。

「お弁当、忘れずに持ったよ」

「おう、今日はえらいな!」

食卓で新聞を読んでいた私が褒めると、息子は得意そうにうなずき、元気よく出かけていきました。

「見たか。あいつも、ようやくしっかりしてきたな」

「本当ね。今日はちゃんと持っていってくれてよかったわ」

妻も安心したように笑い、流しでフライパンを洗っていました。

私も、今朝は忘れ物の心配をしなくて済むと、すっかり安心して出勤の支度を始めたのです。

玄関に残されていた、まさかの忘れ物

それからしばらくして、スーツに着替えた私が玄関へ向かったときのことです。

見覚えのある学生かばんがぽつんと置いてありました。

「あれ?これ…」

持ち上げてみると、ずっしりと重みがあります。

中には教科書もノートも筆箱も、全部入っていました。

そこでようやく気づきました。

息子は、弁当だけを持って学校へ行ってしまったのです。

「おいおい、うそだろ…」

思わず声が出ました。

さっきまで得意そうに弁当を抱えていた息子の姿が頭に浮かび、笑いがこみ上げてきました。

「お母さん!ちょっと来てくれ!」

「どうしたの?」

「あいつ、弁当しか持っていってないぞ!」

「えっ?ちょっと、うそでしょう!」

駆けつけた妻は、玄関に置かれたかばんを見て、一瞬ぽかんとしたあと、吹き出しました。

「もう!何やってるの、あの子!」

「さっき、しっかりしてきたって褒めたばかりなのにな」

「でも、お弁当だけは忘れなかったのよね」

妻の言葉に、私も思わず笑ってしまいました。

私は会社に行かなければならなかったため、学生かばんは妻が学校まで届けることになりました。

あとで妻から聞いたところ、校門でかばんを受け取った息子は、ずいぶん気まずそうな顔をしていたそうです。

その日の夜、息子は朝の得意げな様子とは打って変わって、どこか恥ずかしそうにしていました。

妻は、空になった弁当箱を洗いながら、笑って言いました。

「まあ、お弁当はちゃんと食べてきたみたいね」

すると息子は、少し照れながらも言い返したのです。

「だって、弁当がいちばん大事だろ」

その一言に、家族そろって大笑いしました。

あれからずいぶん年月がたちましたが、今でもこの話になると、息子は「中身は全部食べたんだから」と胸を張ります。

私たち夫婦にとっては、何年たっても笑ってしまう、忘れられない朝の出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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