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“毎日のご飯作り”がしんどい人へ! フードライターが明かす「日々の料理の乗り切り方」と「メインのおかずに悩んだときの便利メニュー」

  • 2026.9.22

あまった食材の使い切りや食べ切りって、いわば冷蔵庫内の“帳尻あわせ”。そして時に、おいしいものを食べて発散するのも“心の帳尻あわせ”的なこと。食と気持ちの帳尻あわせライフをつづる、フードライター白央篤司さんの連載です。


一度の食事で作るおかずは基本1品!

ある日の「たんぱく質とりたい日の丼」、手ごろな牛肉を焼いて、どっさりのせる。右は三つ葉としいたけと溶き卵の中華風スープ。三つ葉は2人前で1束入れてもするっと食べられる。

どういうわけか、「料理好きな人」というのは毎日まめまめしく料理をしている、と世間の人から思われがちである。いつも副菜を作って、冷蔵庫には常備菜があって、味つけもメリハリをつけて飽きないよう工夫しながら――と、いうような方もいるだろうが、少なくとも私はまったく違う。

一度の食事で作るおかずは基本1品。プラスで汁物というのが基本の構成だ。つまり毎回、作るのは2品。ごはんは日曜とかにまとめて炊き、冷凍している。このぐらいの内容じゃないと私は続けていけないと、あるとき悟った。日々の料理は「乗り切っていく」が第一だと思っている。

洗い物を少なくしたいから、おかずをのっけて丼にするのも定番。好みの肉を焼いて、味つけは手軽に焼き肉のたれで。そしてキムチと一緒に盛るだけ、なんてのは何度作っているだろう(そんな“のっけごはん”は、しらいのりこさんとの共著『のっけて、食べる』にまとまっているので、ご興味ある方はチェックしてみてください。いきなり宣伝すみません)。

「日々のごはん担当」を続けていくためにはなるたけ省力、自分が疲れないことを優先。このぐらいの距離感で料理と接しているから、「もうちょっと今日は手をかけようかな」なんてたまには思えるし、あるいは週末に「楽しみとしての料理」を作ろうなんて気持ちにもなれる。と、いう考えにいつしか落ち着いていった。これもまた私なりの、気持ちと生活の帳尻合わせ的行為である。

作っていない時間が「作ろう」という気持ちを育む、的なことは前から思ってきたけれど、人間は「ボケーッとする時間」が本当に必要なイキモノだと、年々思えてきてならない。仕事や家事に使う時間、そして「食べる・寝る」といった生命維持に必要な時間の合間に、「ボケーッとする時間」を意識的にはさむようにしてからメンタルの調子がいい。仕事やネットから離れて、ただぼんやり空を見る。ベランダの植物の葉を見る。洗濯物が風に揺れるのを十数秒、眺める。

遊ぶとか、あるいは自分を癒すような積極的な休息も大事だけれど、ただ単に自分のスイッチを切る「無為」な時間が、私には精神衛生上不可欠に思えてならない。

ポジティブでアクティブな人からしたら「無駄!」「貴重な時間をボーッとするなんてもったいない」とあきれられそうだけれど、ボーッとする時間を設けるようにしてから、料理や家事とより付き合いやすくなっている。

メインおかずに迷ったら「シンプルに塩焼き」

先日の汁なし昼ごはん。メインのおかずに悩んだときは塩焼きのポークソテーの出番!

汁さえも作らない日だってある。先日は豚肉をなすと一緒に焼き、ゆでてあった小松菜とミニトマト添えたポークソテーとライスで昼ごはんにした。

ポークソテーは筋切りをしっかりして、塩麹パウダー(マルコメのものを愛用中、肉が柔らかくなっていい!)をまぶして数分おいてから焼く。なすと一緒に蒸し焼きにすると、肉汁をなすが吸っておいしい付け合わせになってくれる。

メインおかずに迷ったら、「シンプルに塩焼き」がいい。ポークソテー、チキンソテーのふたつは作り慣れておくの、心よりおすすめ。焼いている間に食卓をふいてカトラリーやらを出したり、ごはんをよそったりもしやすい。慣れてくるうち、味つけも照り焼き、しょうが風味、にんにく風味、カレー粉まぶし、あるいはおろしぽん酢醤油など、バリエーションをつけやすくもなってくる。ピーマンやもやし、きのこなどを脇で焼いて、付け合わせを一緒に作れるのもいい。

こんなふうに料理のことを書いていると、食欲がそそられてきて「また作ろうか」という気力も湧いてくる。さあ、そろそろ夕ごはんの支度でもしますかね。では皆様、また来月。

白央篤司(はくおう あつし)

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)、『はじめての胃もたれ 食とココロの更新記』(太田出版)がある。
Instagram @hakuo416

文・撮影=白央篤司

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