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コンビニの多目的トイレを長時間利用する親子…「今は出られません!」その後、発覚した事情に「ハッとした」

  • 2026.11.2
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

コンビニで働いていると、トイレの利用をめぐって対応に困ることがあります。

私が勤務していたのは、都心の飲食店が多いエリアにある店舗。広めの多目的トイレがあり、夜間には長時間の利用や不適切な使い方をされることもありました。

そんなある日、女性と男の子が一緒にトイレへ入ったまま、なかなか出てこないことがありました。

ほかのお客様も待ち始めたため、扉の外から声をかけたのですが、返ってきたのは「今は出られません!」という強い言葉。

ところが、その後にわかった事情は、私が想像していたものとはまったく違っていたのです。

「まだ空かないんですか?」長時間利用する親子に困惑

私が働いていたコンビニには、車いすでも利用できる広めの多目的トイレがありました。

周辺に飲食店が多いこともあり、夜になると複数人で入ったまま長時間出てこないなど、困った利用のされ方をすることもありました。

そのため、スタッフはトイレの長時間利用に少し敏感になっていたのです。

ある昼間、女性と体の大きな男の子が一緒に多目的トイレへ入りました。

ところが、かなり時間が経っても出てきません。

そのうち、トイレを使いたい別のお客様も待ち始めました。

「まだ空かないんですか?」

そう聞かれたものの、私にも中の状況はわかりません。

過去の経験から「また長時間利用しているお客様なのかな」と考えてしまいました。

ほかのお客様も待っているため、ひとまず扉の外から声をかけることにしたのです。

「急かされても無理なんです!」扉の向こうから強い返事が

「すみません。ほかのお客様もお待ちなので、そろそろ出ていただけますか」

そう声をかけると、中にいた女性からすぐに返事がありました。

「今は出られません!」

さらに、「急かされても無理なんです」と、かなり強い口調で言われてしまったのです。

私は少し戸惑いました。

もちろん、トイレを利用している最中にすぐ出られないことはあります。

しかし、ほかのお客様も待っており、店員としては何もせずにいるわけにもいきません。

「長時間のご利用は、ほかのお客様も困ってしまうので……」

そう再度声をかけましたが、女性の返答は変わりませんでした。

正直なところ、「どうしてそこまで強く言われるのだろう」と思っていました。

ただ、そのときの私は、扉の向こうで何が起きているのかをまったく理解していなかったのです。

扉が開いて初めてわかった、女性が急げなかった理由

しばらくして、ようやくトイレの扉が開きました。

そこで初めて、女性と一緒にいた男の子には介助が必要で、一人でトイレを利用することが難しいとわかったのです。

女性は男の子の身体を支えながら対応しており、簡単に急いで済ませられる状況ではありませんでした。

さらに、急かされるとかえって本人が混乱し、余計に時間がかかってしまうこともあるとのことでした。

私はハッとしました。

「今は出られません」という言葉は、単に長時間利用を注意されたことへの反発ではなかったのです。

女性自身も、できることなら早く出たかったのでしょう。

しかし、介助が必要な状況では、自分の都合だけで急ぐことはできません。

それなのに私は、以前からあった不適切な利用のことを思い出し、今回も同じようなケースだと考えてしまっていました。

事情を知らずに何度も急かしてしまったことを、申し訳なく感じました。

見えない事情があることを忘れてはいけない

この経験を通して学んだのは、目の前の状況だけで相手の事情を決めつけてはいけないということです。

長時間トイレを利用しているからといって、必ずしも不適切な使い方をしているわけではありません。

特に多目的トイレは、介助が必要な方など、さまざまな事情を抱えた方が利用する場所です。

もちろん、ほかのお客様への配慮も欠かせません。しかし、待っている方がいるからといって、利用中の方がすぐに出られるとは限らないのです。

あのとき、最初から退室を促すのではなく、何かお困りのことがないかを確認する声かけもできたのではないかと思います。

接客では、相手の事情が見えないことも少なくありません。だからこそ、自分の経験だけで判断せず、相手の立場を想像することが大切なのだと感じた出来事でした。


ライター:canny

元コンビニ勤務のWebライター・編集者。これまで接客の仕事を通して、年齢も立場もさまざまなお客様やスタッフと関わってきました。仕事中には、思わず困ってしまう出来事や、今だから笑って話せる失敗、心が温かくなるようなやり取りなど、本当にいろいろな経験があります。

コンビニは、毎日の暮らしに身近な場所。だからこそ、そこで働く人にしか見えない景色や気づきも少なくありません。そんな実体験をもとに、現場で起こる出来事や接客の難しさ、おもしろさを、当時の気持ちも交えながらお伝えしていきます。読んだ方に「こんなこともあるんだ」と身近に感じてもらえるような記事を目指しています。



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