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「店長の連絡先、前のお店の人から聞いたって」距離の近い同僚。後から知った事実に言葉を失った

  • 2026.9.21

一歩下がると、また近づいてくる

40代の半ば、私は飲食店の店長をしていた。スタッフは十数人いて、新しく入った人に仕事を教えるのも私の役目だった。

その中に、話すときの距離が妙に近い女性スタッフがいた。

私が一歩下がると、彼女も何気なく一歩近づいてくる。

ある日も、発注表を持ったまま顔のすぐ近くまで寄ってきた。

「店長、これ、数は合ってますか?」

「うん、合ってるよ。あ、ごめん。もう少し離して見せてもらえる?」

「あっ、すみません。近かったですね」

彼女はそう言って少し下がった。

ところが、次に話しかけてきたときには、また同じくらいの距離に立っていた。仕事ぶりは真面目で、一度伝えたことでもあったので、私はその場ではそれ以上言わなかった。

そんなころ、私の携帯に知らない相手からメッセージが届いた。

名前の欄は記号のような表示で、写真も設定されていない。

「今日も遅くまでお疲れさまです」

誰だろうとは思ったが、心当たりはなかった。

数日後、同じ相手からもう1通届いた。

「昨日は閉店後も残っていましたね」

今度はさすがに気になった。閉店作業のあと、副店長に画面を見せた。

「これ、また来たんだよ。誰なのか全然分からなくて」

副店長は画面を見て、少し表情を曇らせた。

「店のこと知ってる人なんですかね。店長、返事してないですよね?」

「してない。最初は送り間違いかと思ったんだけど…」

「それなら、このまま返さないほうがよさそうですね。ちょっと気になりますし」

私も同じ気持ちだった。そのまま返事はせず、メッセージのことも次第に頭から離れていった。

仕込み中に聞いた何気ない一言

しばらくたったある朝、開店前の仕込みをしていると、古株のパートの女性が野菜を洗いながら声をかけてきた。

「そういえば店長。あの人、店長の連絡先、前のお店の人から聞いたって言ってましたよ」

私は思わず手を止めた。

「え…前の店から?」

「はい。知り合いがいるみたいで。この前、本人がそう話してました」

「そうなんだ…」

それ以上、すぐには言葉が出なかった。

頭に浮かんだのは、あの2通目のメッセージだった。

「昨日は閉店後も残っていましたね」

あの週、閉店後に一人で残ったのは、棚卸しの数を確認し直した1日だけだった。そして、その日の閉店時間帯まで勤務していたスタッフの中に、あの女性もいた。

もちろん、それだけで送り主が彼女だと決めつけることはできない。

それでも、自分の連絡先を知っていたという話を聞くと、これまで別々に考えていたことが急に気になり始めた。

そのとき、裏口のドアが開いた。

「おはようございます、店長」

振り返ると、彼女だった。

いつものようにこちらへ歩いてきて、顔のすぐ近くで立ち止まる。

「……おはよう」

普段なら、また近いと思って一歩下がっていたはずだった。

けれど、その朝だけは一瞬下がるのを忘れた。

昨日までただ「距離が近い人」だと思っていたその近さが、そのときは少し違って感じられた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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