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バッグの斜めがけを「胸を強調してるの?」と笑う男子…触られるだけが性被害じゃない!性的からかいへの違和感を描く

  • 2026.9.18
男子からの性的なからかいがとても苦手だった。 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
男子からの性的なからかいがとても苦手だった。 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ

ショルダーバッグを斜めにかけた際、「胸を強調してるの?」と男子にからかわれた。言った側にとっては、何気ないおふざけのひとつだったのかもしれない。しかし、言われた側には不快な記憶として残ることがある。そんな「こんなことでも嫌な気持ちになる」という思いを描いた「スカートの呪いが解けるまで」。作者は幼少期から性的な被害を受け、その記憶を長く心にしまってきた漫画家・魚田コットンさん(@33kossan33)。触られることだけでなく、性的な言葉や視線にも嫌悪感を抱くことがあると伝える本作について話を聞いた。

※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。

消えない記憶

スカートの呪いが解けるまで_01 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_01 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_02 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_02 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_03 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_03 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ

性的なからかいが苦手だった魚田さん。その背景には、小学校低学年の頃に見知らぬ男性からお尻を触られた経験や、母親の再婚相手である継父から受けた被害があった。親になった現在もその恐怖は残っており、娘が「スカートを履きたい」と言うと、「ダメ!せめて下にスパッツを履いて」と止めてしまうという。

小学校低学年の頃、友達と健康ランドを訪れた魚田さん。ゲームコーナーで遊んでいると、子ども連れの男性が現れ、「もっとゲームを見ていたい」と代金を渡してきた。2人で遊び続けているうちに、男性は魚田さんへ近づき、ゲームに夢中になっている背後からお尻を触った。隣にいた友達も、男性の子どもも、そのことには気づかなかった。

「わざわざ言うことじゃなかった?」

母親に起きたことを話した魚田さんだったが、返ってきたのは「ホントに触られてた?」「ちょっと触られただけやろ」という言葉だった。その反応に、「わざわざ言うことじゃなかった?」と口にした自分を恥じたという。

その後、母親が再婚し、継父と暮らすことになる。深夜、継父が布団に入ってきたこともあり、この日の記憶は一生忘れられないトラウマとなった。継父は母親がいない隙を狙い、魚田さんに触れたり、近づいたりすることを何度も繰り返した。

漫画に託した思い

「こんな重くてつらいだけの話、誰も楽しい気持ちにならない」と思いながらも、いつか自分に起きたつらい出来事を漫画にしたいという気持ちは、当初からあったという魚田さん。最も描きたかった「母の再婚相手が色々とアウトだった話」は、のちに「母の再婚相手を殺したかった~性的虐待を受けた10年間の記録~」として書籍化され、漫画を描く大きなきっかけになった。

ブログを更新するなかで、同じような経験をした人からコメントやDMが届くようになった。「現在私が結婚し子どもを育てているというのが、希望になっている部分もあるようです」と魚田さん。その言葉に感謝される一方で、自身も希望をもらったことが、「こういう漫画を描こう」と決意する後押しになった。

「自分たちは悪くない」

口には出せない思いを抱えている人が、実は多くいることにも気づいた。「たまたま私が漫画を描けて世の中に発信できたけど、それができない人もたくさんいるんだな」と感じ、「こういう思いしたことあるよね」「つらかったよね」「でもさ、自分たちは全然悪くないんだよ」という思いを届けるために作品を描いているという。「ちょっとおこがましいかもしれませんが(笑)」と魚田さんは語る。

「スカートの呪いが解けるまで」には、自分を責めてしまった時期も含め、「被害者は悪くない」というメッセージを込めた。多くの人に気軽に手に取ってもらえるよう、これまでの作品よりマイルドな表現を心がけたという。一方で、赤裸々になりすぎる描写を抑え、当時無意識に抱いていた感情を思い出して言葉にすることには苦労した。

幼い頃、男性から性的な目で見られることを知り、一気に男性への嫌悪感を抱くようになったという魚田さん。X(旧Twitter)で「鞄の斜め掛けが怖くなった話」を公開した際にも、多くの共感が寄せられた。「わかりやすい性被害だけでなく『こんなことも本当は嫌だった』。そういう目に合う子どもを減らしていきたいという思いを込めています」と話す。

「今、私が30代半ばなんですが、少し前まで『性的な目でみられる』=『女として終わってない』とか『女性として見られてよかったじゃん』みたいに言われていたと思います。でも実際、異性から不意に性的に見られるのはかなりのストレスなんですよね」。本作では、「性的に見られた出来事」と「実際の性被害」の両方を描き、それらすべてを「性被害」として捉えている。何気ない言葉や視線にも、当事者にしかわからない不快さがある。その感覚を見過ごさないための作品でもあるのだ。

■取材協力:魚田コットン(@33kossan33)

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