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「お前は昔から頼りない」法事で夫を責めた叔父。だが、静まり返った座敷で住職がかけた一言

  • 2026.9.18

徳利が増えるにつれて、声も大きくなった

夫の祖父の三回忌でした。お寺で法要を終えたあと、親族そろって近くの料亭へ移りました。

座敷には子どもも含めて20人ほど。法要を勤めた住職にも同席していただき、最初は祖父が世話をしていた畑や、庭の柿の木の話をしながら穏やかに食事をしていました。

ところが、祖父の次男にあたる夫の叔父だけは、少しずつ酒のペースが上がっていました。

「親父もさ、もう少し俺に話してくれたってよかったと思うんだよ」

最初は思い出話のようでした。

「俺には何にも言わないでさ。昔からそうだったんだよ」

祖父の長男である義父が、「もうそのくらいにしとけ。今日は親父の法事なんだから」となだめます。

しかし叔父は納得できないようでした。

「なんだよ。ちょっと話してるだけだろ」

声が大きくなったため、近くに座っていた夫も口を開きました。

「叔父さん、もういいんじゃない?みんなもいるしさ」

すると叔父の顔が、夫のほうへ向きました。

「お前まで何だよ。お前は昔から頼りないんだよ。こういうときだけ口出して」

夫は一瞬、言い返そうとしたように見えました。

「いや、俺はただ…」

けれど、向かいで子どもたちまで黙っていることに気づき、そのまま口を閉じました。

叔父はまだ何か言おうとして、手にしていたグラスを強く置きました。

その拍子に醤油皿が揺れ、叔父の隣に座っていた夫の従妹の喪服に醤油が少し跳ねました。

「あっ…」

従妹がおしぼりを取ると、座敷はすっかり静まり返りました。

夫が黙ったあと、住職が静かに口を開いた

そのとき、奥に座っていた住職が箸を置きました。

「そのお話は、また別の日になさってはいかがでしょう」

叔父が住職を見ます。

「でも、俺は…」

住職は責めるような口調ではありませんでした。

「今日は皆さん、お祖父さまを偲んで集まった日ですから。せっかくですし、穏やかな思い出話を聞かせてください」

叔父は何も答えませんでした。

その視線の先では、従妹がまだ喪服の裾を拭いています。

少しして、叔父が小さな声で聞きました。

「……大丈夫か、それ」

「うん。これくらいなら大丈夫」

叔父は目を伏せました。

「…悪かった」

義父もそれ以上責めず、「今日はもう酒はそのくらいにしとけ」とだけ言いました。

叔父は今度は言い返さず、「ああ」と短く答えました。

私は近くに来た店の人に、叔父の前のお酒を下げてもらい、お茶をお願いしました。

しばらくすると、誰かが「そういえば、今年も柿がなってたな」と話し始め、止まっていた会話が少しずつ戻ってきました。

お開きになり、玄関で靴を履いていたときです。

先に帰ろうとしていた叔父が夫の前で足を止めました。

「さっきは…飲みすぎた。悪かったな」

夫は少し驚いたあと、「うん。もういいよ」と答えました。

叔父はそれ以上何も言わず、小さく頭を下げて外へ出ていきました。

「叔父さんから謝られたの、初めてかもしれない」

夫はそう言って、少しだけ肩の力を抜きました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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