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「この子で最後にするつもり」犬を大切にする近所の女性。昔の写真を見て知った事実に、言葉を失った

  • 2026.9.18

毎朝、同じ時間に犬を連れて歩く女性

同じ通りに、犬を連れて毎朝散歩をしている女性が住んでいます。

私が越してきたころから、朝と夕方の決まった時間に中型犬を連れて坂道を歩いていました。顔を合わせれば、いつも向こうから足を止めて挨拶をしてくれます。

ある朝、私は何気なく聞きました。

「毎日のお散歩、大変じゃないですか?」

女性は犬の頭を撫でながら笑いました。

「大変よ。でも、この子で最後にするつもりなの」

「そうなんですか?」

「私もいつまで元気に歩けるか分からないでしょう。途中で面倒を見られなくなったら、この子が困るもの」

その言葉を聞いて、私はきちんと先のことまで考えて犬を飼っている人なのだと思っていました。

アルバムに写っていた、もう一匹の犬

秋のある休日、玄関先で立ち話をしていると、「時間があるなら、お茶でも飲んでいかない?」と誘われました。

居間に上がると、女性は棚から古いアルバムを取り出しました。

「これ、昔うちにいた子たちなの」

最初に写っていたのは大きな犬でした。

「この子は十五年いたのよ。おとなしい子でね」

「十五年ですか。長く一緒にいたんですね」

女性は懐かしそうに写真を眺めながら、ページをめくっていきます。

三枚ほど進んだところで、小さな犬を抱いた写真が出てきました。

「この子も飼ってたんですね。かわいいですね」

私が言うと、女性は「ああ、この子ね」と写真をのぞき込みました。

「かわいかったんだけどね、とにかくよく鳴く子だったのよ」

「そうだったんですか」

「近所のことも気になるし、私もだんだん疲れちゃってね」

そこまでは、よくある飼育の苦労話なのだと思って聞いていました。

けれど、女性は少し笑って続けました。

「その子は、結局捨てちゃったの」

同じように話す女性を、以前と同じ目では見られなかった

私はすぐに言葉が出ませんでした。

「……捨てたんですか?」

「うん。もう私には無理だと思って」

「そのあと、その子はどうなったんですか?」

女性は少し考えるようにしてから答えました。

「人気のある種類だったし、誰かが見つけてくれたんじゃないかしら」

「……そうだといいですね」

それ以上、何を言えばいいのか分かりませんでした。

足元では、今飼っている犬が静かに横になっています。

女性はアルバムを閉じると、その犬の背中を撫でました。

「この子はほんとにおとなしいのよ。ほとんど鳴かないし」

「そうですね」

少し前までなら、「いい子ですね」と自然に続けていたと思います。でも、その日は短く返すだけでした。

しばらくして、私は礼を言って家を出ました。

「またいつでも来てね」

女性はいつもと変わらない様子で、門のところまで見送ってくれました。

それから季節が二つ変わりました。

朝、道ですれ違えば今も挨拶をします。女性も変わらず犬を散歩させています。

ただ、あの日以来、私は家に上がっていません。

今の犬を大切にしている姿が嘘だと思ったわけではありません。それでも、あのアルバムの前で聞いた言葉が頭から離れず、以前のように気軽に付き合うことはできなくなりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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