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「お金の話じゃないって」祖母の土地をめぐる話し合いに呼ばれなかった母。200万円を渡された母が、最後まで引っかかったこと

  • 2026.9.17
「お金の話じゃないって」祖母の土地をめぐる話し合いに呼ばれなかった母。200万円を渡された母が、最後まで引っかかったこと

台所のテーブルに、帯のついた札束があった

祖母の四十九日が済んで少し経った頃、実家に帰ると、母が台所で書類の束を眺めていた。

テーブルの端には、帯のついた札束が二つ置かれている。

母は代々続く家の次女で、長女である伯母は結婚後も実家に残り、伯父と一緒に家や土地を管理してきた。

母は結婚を機に家を出ている。

私が子どもの頃、親戚が集まるのはいつも伯母の家だった。

祖母の畑も、駐車場にしていた角地も、母が生まれた家の敷地も、普段から伯母夫婦が管理していた。

「それ、どうしたの?」

私が札束を見ながら聞くと、母は書類から目を上げた。

「お姉ちゃんが持ってきたの。土地は自分たちで引き継ぎたいんだって」

「もう決まったの?」

「向こうでは、もうそういう話になってるみたい」

母は困ったように笑った。

「私、一回も呼ばれてないんだけどね」

祖母が持っていた土地は4つあった。

伯母夫婦は、そのすべてを自分たちで引き継ぎたいと母に伝えてきたという。

そのとき伯母は、200万円を渡しながらこう言ったそうだ。

「土地は税金もかかるから、現金のほうがいいでしょ」

「お母さん、それでいいって言ったの?」

「言ってないよ。金額の話じゃないの。せめて一回くらい、『どうする?』って聞いてほしかった」

母は、200万円を伯母の前に戻した

次の週末、私は母について伯母の家へ行った。通された和室には伯父もいたが、テレビの音を小さくしただけで黙って座っていた。

母はしばらくバッグを膝に置いたまま、伯母を見た。

「土地のこと、本当に全部そっちで引き継ぐつもりなの?」

「そのつもりよ。今までずっと私たちが見てきたんだから」

「それは分かってる。お姉ちゃんたちがやってくれてたのも知ってるよ」

母はいったん言葉を切った。

「でも、だからって私に何も聞かないまま決めるのは違うんじゃない?」

伯母は眉を寄せた。

「何もしてないわけじゃないでしょう。200万円だって渡したじゃない」

「だから、お金の話じゃないって」

母の声が少しだけ強くなった。

「土地を分けてほしいって言ってるんじゃないの。お母さんが残したものをどうするか話すなら、私にも一言くらい声をかけてほしかったの」

伯母はしばらく黙っていたが、やがて「じゃあ、今さらどうしたいの」と聞いた。

母はバッグから200万円を取り出し、テーブルに置いた。

「これはいったん返す」

「何でよ。受け取ればいいじゃない」

「今これを受け取ったら、私も全部納得したみたいになるでしょう。それは嫌なの」

伯父が「まあ、もう少し話せばいいだろ」と口を挟んだ。

母は小さく首を振った。

「今日は帰る。今ここで決めなくていいと思うから。また落ち着いて話そう」

車に戻っても、母はしばらくエンジンをかけなかった。

「大丈夫?」

「うん。土地が欲しいわけじゃないんだよ」

母は前を向いたまま、少し間を置いた。

「家を出たって、私はお母さんの娘なのにね。それを忘れられたみたいで、寂しかっただけ」

母が引っかかっていたのは、200万円という金額ではなかった。

大事な話をする席に、自分の居場所が最初から用意されていなかったことだった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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