1. トップ
  2. エピソード
  3. 「なんか、信用されてないみたい」財布を落とした彼女に貸した3万円。だが、2週間の約束だったのに、返済に半年かかった理由

「なんか、信用されてないみたい」財布を落とした彼女に貸した3万円。だが、2週間の約束だったのに、返済に半年かかった理由

  • 2026.9.17

封筒に入れて渡した3万円

付き合って一年ほどたった彼女から連絡が来たのは、平日の夜でした。

財布を落として生活費がなく、給料日までの2週間だけ3万円を貸してほしいというのです。

翌日の夕方、駅前の喫茶店で会い、封筒に入れた3万円を渡しました。

「ほんと助かった。給料入ったら、すぐ返すから」

「うん。財布は届け出した?」

「したよ。でも、たぶん出てこないと思う」

彼女はそう言って封筒をバッグにしまいました。

疑っていたわけではありません。

ただ、お金のことは後で曖昧になりやすいと思い、私は携帯のメモに日付と金額を残しました。

三万円、二週間、給料日。

それだけでした。

月末の給料日を過ぎた週末、彼女と会いました。しかし返済の話は出ません。駅の改札前まで来たところで、私から切り出しました。

「あのさ、この前のお金なんだけど。そろそろ返せそう?」

彼女は少し黙ってから、困ったような顔をしました。

「え、今その話するの?」

「二週間って言ってたから、どうなったかなと思って」

「今日は普通に楽しく過ごしたかったのに…」

「責めてるわけじゃないよ。返せないなら、それはそれで教えてほしいだけ」

彼女は「分かった」と答えましたが、その日はそれ以上の話にはなりませんでした。

怒る代わりに、記録だけを残した

その後も、彼女から返済の話が出ることはありませんでした。

何度も催促するのも嫌だったので、私は月に一度だけ確認することにしました。

「今月は返せそう?」

「ごめん、今月もちょっと厳しい」

そんなやり取りと日付を、メモに残していきました。

三か月目になって、ようやく五千円が返ってきました。

「ごめん。今はこれだけしか出せない」

「分かった。じゃあ、あと二万五千円ね」

同じ月の終わりにも五千円が返り、残りは二万円になりました。

ところが四か月目、残額を確認するメッセージを送ると、彼女から電話がかかってきました。

「ねえ、毎回いくら残ってるとか送ってくるの、ちょっと嫌なんだけど」

「でも、まだ全部返ってきてないから。分からなくなると困るし」

「3万円で、そんなに細かいこと気にするの?」

その言葉には、さすがに戸惑いました。

「金額が大きいか小さいかじゃないよ。貸したお金だから、確認してるだけ」

「なんか、信用されてないみたい」

「だったら、いつ返せそうかだけでも言ってくれたら、俺も何度も聞かなくて済むよ」

しばらく沈黙が続き、その日はそこで電話を切りました。

週末、友人にこの話をすると、「それは細かいっていうより、約束の話だろ」と言われました。

「俺もそう思うんだけど、聞くたびに責めてるみたいになるんだよな」

「じゃあ、返ってきた日と金額だけ残しておけばいいんじゃない?」

それからは余計なことを言わず、返済があったときだけ記録するようにしました。

五か月目に会ったとき、彼女のほうから聞いてきました。

「あと、いくら残ってたっけ」

私は携帯のメモを開きました。

「二万円。五千円ずつ二回返してもらってる」

彼女は画面を見て、少し驚いたようでした。

「……ちゃんと全部書いてたんだ」

「うん。最初に貸した日から」

「そっか」

それ以上、彼女は何も言いませんでした。

半年を過ぎたころ、残っていた二万円がまとめて振り込まれました。

私は入金を確認し、「確認したよ。ありがとう」とだけ送りました。

彼女から返ってきたのは、短い一文でした。

「これで、もうお金の連絡はしなくていいよね」

その後、二人で会う回数は少しずつ減っていきました。

しばらくして携帯のメモを整理していたとき、半年以上残していた返済の記録が目に入りました。もう必要がないことを確認してから、私はそのメモを削除しました。

3万円はすべて戻ってきました。ただ、お金を貸す前と同じ気持ちで彼女と付き合うことは、もうできなくなっていました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ