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「またこの番号だ」毎週午後3時ごろに鳴る電話。受話器の向こうから聞こえるのは同じピアノだけ

  • 2026.10.7

午後3時、返事のない電話

健康食品の注文を電話で受ける仕事を始めて、2年になります。

電話の席が並ぶ部屋で、私はヘッドセットをつけ、注文画面の前に座っていました。

ある日の午後3時ごろ、電話を取ると、いつものように会社名と自分の名前を告げました。

「お電話ありがとうございます。ご注文をお伺いします」

ところが、相手から返事がありません。

「もしもし。お客様、お声は届いていますか?」

そう呼びかけたとき、耳の奥でかすかな音が聞こえました。

ピアノです。ゆっくりした曲が流れ、終わると、また最初から始まります。

テレビか何かの音だろうと思いましたが、何度呼びかけても返事はありません。

原則としてこちらからすぐに電話を切ることはできなかったため、しばらく様子を見ました。

それでも5分ほど状況が変わらず、私は保留にして隣の先輩に声をかけました。

「すみません。ずっと無言なんです。ピアノの音だけ聞こえていて…」

先輩が画面を見て口にした一言

先輩は私の画面に表示された番号を見ると、少し眉を寄せました。

「あれ、その番号…先週も午後3時ごろにかかってきたよ」

「先輩が出たんですか?」

「ううん。別の席。でも、見覚えがあるの」

さらに、その前の週にも同じ番号から電話があったという話を聞き、私は後ろの席にいた上司へ相談しました。

上司は状況を確認すると、少し考えてから言いました。

「もう切って大丈夫。前にも同じような電話があったから」

通話を終えたあと、注文の記録を確認しましたが、その番号に結びつく名前や住所は見つかりませんでした。

これまで何かを注文された記録もなく、誰なのかは分からないままでした。

翌週も、同じ時刻に鳴った電話

それからも、週に一度ほど、午後3時ごろになると同じ番号から電話がかかってきました。

私が取ることもあれば、別の人が取ることもあります。

ただ、誰が出ても相手は話さず、聞こえてくるのは同じピアノの曲だけでした。

私が受けたとき、一度だけ妙なことがありました。

いつものように会社名と自分の名前を名乗ると、流れていたピアノがほんの一瞬止まったのです。

「……もしもし?」

返事はありません。数秒後、また同じ曲が最初から流れ始めました。

理由は今も分かりません。嫌がらせなのか、何かの機械がつながっているのか、それさえ判断できないままです。

ある日、午後3時が近づいたころ、隣の先輩が時計を見ました。

「そろそろ来るかな」

その直後、電話が鳴りました。

画面に表示されていたのは、見慣れてしまったあの番号でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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