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入院中、認知症の患者が“何度も口にした名前”…疑問に思った看護師が確認すると?→発覚した“予想外の正体”に「確認してよかった」

  • 2026.10.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、病棟看護師のもなです。

みなさんは、誰かの何気ない一言を聞いて、「あのとき気づいてよかった」と思った経験はありますか?

何気なく聞き流していたら、気づけなかったこと。
そんな小さな言葉が、その人を知るきっかけになることがあります。

私も以前、患者さんが何度も口にする名前を聞きながら、「昔の知り合いなのかな」と軽く考えていました。

ところが、その名前をきっかけに、家族も知らなかった患者さんの暮らしが見えてきたことがあります。

「○○さんは?」何度も繰り返された名前

ある日、認知症の患者さんと話をしていると、患者さんが突然「○○さんは?」と、ある人物の名前を口にしました。

一度だけではありません。

その後も、何度か同じ名前を繰り返します。

私は最初、「昔の知り合いなのかな」と考えていました。

認知症の患者さんから、以前の出来事や昔関わっていた人の名前が出てくることはよくあります。

そのため、そのときも「昔の知り合いのことを思い出しているのかもしれない」と、深く考えずにいました。

ただ、何度も同じ名前が出てくることが、少し気になりました。

「この人はいったい誰なんだろう......?」

家族に尋ねても、その名前には心当たりがありません。

それでも患者さんが繰り返し口にするため、私は「昔の話」と決めつけず、確認してみることにしました。

「昔の知り合い」ではなかった。その人の正体

確認していくと、患者さんが話していた「○○さん」は、昔の知り合いではありませんでした。

なんと、患者さんの自宅のお隣に住んでいる方だったのです。

さらに、そのお隣の方から話を聞く機会がありました。すると、家族も把握していなかった、患者さんの普段の生活が少しずつ見えてきました。

自宅ではどのように過ごしていたのか。

どんなことを自分でしていたのか。

普段、どのような様子だったのか。

お隣の方から得られた情報によって、「自宅で暮らしていたときの患者さん」を知ることができました。

その情報は、退院後の生活を考えるうえでも役立ちました。

入院中にできる準備は何か。

どのような支援が必要なのか。

患者さんが自宅に戻ったあとも、安全に、できるだけその人らしく生活できるように考えるきっかけになったのです。

そこで私は、患者さんの何気ない一言を「認知症だから」「昔の話かもしれない」と片づけなくてよかったと感じました。

「情報」として受け取る

この経験から、私は患者さんの言葉を聞くとき、「内容が正しいか」だけではなく、「なぜ今、この話をしたのだろう」と考えるようになりました。

認知症の患者さんの話には、現在と過去が混ざっていることもあります。

すぐに「関係のない話」と判断するのではなく、何度も出てくる言葉や名前があれば、少し調べてみるようにしています。

そこには、その人の生活や大切にしてきた人、今気になっていることが隠れているかもしれません。

これは、看護の場面だけではないと思います。

たとえば、職場の後輩が「最近、仕事がちょっとしんどいんですよね」と何気なく話したとします。これを、「そうなんだ」と聞き流すこともできます。

でも、その一言を覚えていれば、後日こちらから「この前、しんどいって言ってたけど大丈夫?」と声をかけられます。

何気ない一言を、ただの会話で終わらせず、次につなげる。

その小さな意識が、誰かの変化に気づくきっかけになるのかもしれません。

何気ない一言を、ちゃんと聞く

何気ない一言には、その人の暮らしを知るヒントが隠れていることがあります。

「なぜ、この言葉が出てきたのだろう」と、少し考えてみる。

今日から、身近な人の何気ない一言を、一つだけ覚えておくことから始めてみませんか。


もな|病棟看護師・看護師ライター

看護師歴7年。急性期・整形外科、地域包括ケア病棟、訪問看護を経験し、現在も看護師として勤務しています。看護の現場で経験したリアルな出来事を通して、技術だけではない「人と関わること」の難しさや大切さを言葉にしています。誰かの経験が、読んだ方の明日につながるような記事を届けています。


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