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「循環」で心身を解きほぐす。リッツ・カールトン モルディブの極上のウェルネス旅をレポート

  • 2026.9.16
©The Ritz-Carlton Maldives, Fari Islands

「循環」を象徴する円形のデザインで構成されたリゾート

マーレ空港から北へヨットまたはスピードボートで1時間余り、マーレ環礁の北部にあるザ・リッツ・カールトン モルディブ ファリ アイランズ。6月にオープン5周年を迎え、モルディブにあるマリオットグループの8つのリゾートの中でも最高峰との呼び声の高いリゾートだ。

リゾート全体が「循環」をイメージする円になっており、例えば、水上ヴィラや建物の形も円形だ。古代ギリシャ哲学(ピタゴラスやプラトンなど)において、円は「始まりも終わりもない幾何学的に最も完全な形」とされてきた。

このリゾートが掲げる、心身のリカバリーを目指す「循環」のウェルネスとは。

最新のサウンドヒーリングで不調を癒す

©The Ritz-Carlton Maldives, Fari Islands

ザ・リッツ・カールトン・モルディブ・ファリアイランドは、フォーブス・トラベルガイドで5スターと、スパの評価も高い。ザ・リッツ・カールトンスパの建物自体のデザインも「円」や「循環」に関わるもので、施術ルームは海上に浮かぶ円形の水上ヴィラだ。全体が明るい光を取り入れられるよう、円形の真ん中が空に向かって開いていて、自然のエネルギーをそのまま取り入れるような作りになっている。

スパには文化圏的に近いインドのヘッドマッサージから、先進的なLEDライトのセラピーまで、さまざまなマッサージが揃っているが、注目はサウンドヒーリングという新しいスタイルのトリートメントだ。

静謐で温かな光が灯るスパスイートには綺麗な小石でできたウェルカムメッセージが。パーソナライズされたサービスが、いかにもリッツらしい。 (c)kyoko nakayama

人間には7つのチャクラがあり、「アルケミストボウル」と呼ばれる、クリスタルで作られた7つのシンギングボウルを使い、そのバランスを整えていく、というもの。不眠や関節の痛みなど、不調の部分を伝えると、その部分を癒す施術をしてくれる。

7つのシンギングボウルは異なった音を司り、アクアマリンならAノートで、「サード・アイ(第三の目)」のチャクラに反映され、頭痛や悩みなどがある人におすすめだという。

筆者の担当をしてくれたバリ島出身のマルティーニさん。他にもふたりの認定セラピストがいる。 (c)kyoko nakayama

さて、実際に目の上にクリスタルで作られたアイマスクをして、サウンドヒーリングの資格を持つセラピストが奏でる音に身をゆだねると、除夜の鐘の音のような低音が響く。

セラピストの手がマッサージしてくれるのと同じように、音の粒子が心身に直接働きかけるように感じられ、手を触れずに行うマッサージのような、不思議な体験だった。108の煩悩の数だけつくという除夜の鐘には、そんな意味もあったのかもしれない、と思わず空想を巡らせる。音の振動の力、そして、聴覚が心身に与える影響について、改めて考えさせられる時間だった。

ゴッドハンドによる各種マッサージで疲れをリセット

施術を行うスパルームへの入り口も途切れることがなく、循環を思わせる形。施術後のジンジャーティーセットを持つフォンさん。 (c)kyoko nakayama

スパには、この他にもリラクゼーションのためのプログラムや各種マッサージがあり、強めの指圧のようなスタイルが好きな筆者は、指圧とタイのストレッチを合わせたスタイルの「B-Strong」マッサージをお願いした。

担当はタイ出身で、モルディブのみならず、タイやメキシコなどで15年以上のキャリアを持つフォンさん。彼女は素晴らしいゴッドハンドで、最初の足を洗ってもらうときから、手にツボを知る磁石がついているのではと思うほど。

タイ式のストレッチも痛すぎず、最近のスパ体験の中でもトップクラスの満足度だった。体の凝りは循環の滞り。すっきりと正しい循環を取り戻し、食後は蜂蜜を添えたジンジャーティーと素焼きのナッツと共に、青い海を眺めながらゆったりとしたひとときを過ごした。

心身を整える朝の「サンサルテーションヨガ」

ヨガインストラクターのカデックさん。ヨガスタジオではエアリアルヨガも行われている。 (c)kyoko nakayama

また、毎朝さまざまな健康プログラムも行われていて、筆者は朝のヨガに参加した。担当者によってスタイルは異なるが、この日担当のバリ島出身のカデックさんは、元々はトレーナーで、200時間にも及ぶヨガの研修を受けた有資格のインストラクター。

太陽の恵みに感謝するサンサルテーションヨガは、通常のヨガだけでなく、クールダウンのセッション中に、セルフアファメーション、つまり自己肯定感を高める言葉で締めくくるのが特徴的だ。普段周りに気を遣い過ぎ、愛を与える人ほど、自分に愛を返してあげることが重要だという。心と体の調和を取ることが幸せにつながる、「愛の循環」を大切にしていると話してくれた。

海洋生物学者がいるリゾートが掲げる、海を守る循環

ドローンを使ってゴーストネットを回収する、海洋生物学者のオリヴィアさん。 (c)kyoko nakayama

そして、ここは海洋生物学者のいるリゾート。ドローンを使い、ゴーストネットを回収するなどの活動を行っている。リゾートではサンゴを植える活動もしており、朝食会場でもあるイタリアン「ラ・ロカンダ」の前にも今すくすくと育っているサンゴの若い森があった。波の流れ次第でもあるものの、驚くほどたくさんの魚を見ることができる。

すべては円のように繋がっている。自分たちだけではなく、すべての循環を整えることが、結局は自らに帰ってくる、ということを考えさせられた。

ブルーゾーンに倣う、食とウェルネス

ヘルシーな食事のチョイスも多数。左上から時計回りに、朝食のアボカドトースト、「Beach Shack」のセビーチェ、「Summer Pavillion」の蒸し鮑、「Eau Bar」のクリエイティブなすし。 (c)kyoko nakayama

食事はというと、朝食はサラダやフルーツのビュッフェのほか、効能が書かれたコールドプレスジュースや、9つの雑穀を使ったアボカドトースト、さらに中華風のお粥なども揃い、ヘルシー志向の方にもぴったり。個人的には中華ステーションのヌードルバーで野菜多めのヌードルをオーダーでき、温野菜も取れるビュッフェがありがたかった。

全レストランにベジタリアンのオプションがあるのもうれしい。中国料理「サマーパビリオン」は、小ポーションのテイスティングコースもあり、中国風の蒸し魚と野菜、ご飯やスープなどをアラカルトで頼めば、ヘルシーな食事も叶う。

円形の水上ヴィラ。天井にはソーラーパネルが設置されている。 ©The Ritz-Carlton Maldives, Fari Islands

「ブルーゾーン」という言葉があるが、日本の沖縄を含め、世界で100歳以上の健康な高齢者が多く暮らす5つの地域のことで、その食事やライフスタイルには共通点がある。青い海と空に囲まれたモルディブだけに、今後はその「ブルーエリア」に学び、ウェルネスにより力を入れ、健康的な暮らしへのハンドブックを各部屋に置く予定だという。

毎日夕方に行われる「ディファイニング・モーメント」。民族衣装に身を包んだスタッフが松明で円形に火をつける。電気がない頃、モルディブでは夕方に隣近所で火をわけあったというしきたりから。 ©The Ritz-Carlton Maldives, Fari Islands

そして、ここではすべてのスタッフが、すれ違う際に必ず胸に手を当てて挨拶をしてくれる。筆者は朝の散歩中に雨が降ってきたので、そのまま朝食に向かっていたら、通りすがった清掃スタッフが個人で使っていた私物の傘を貸してくれた。リッツ・カールトンの「クレド」にあるような、心と心のやり取り、そんなホスピタリティ溢れる「心の循環」も、ここでのウェルネス体験をより豊かにしてくれるのだろう。

ザ・リッツ・カールトン・モルディブ・ファリアイランド
North Male Atoll, Fari Islands, Male, Maldives, 20013

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