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9月も油断禁物!寒暖差と湿度による「隠れ熱中症」の予防法を医師が解説

  • 2026.9.16

暑さのピークを過ぎても寒暖差や湿度が高い時もある季節の変わり目、「もう9月だから大丈夫」と油断していませんか?
消防庁のデータでも、毎年9月に熱中症で救急搬送されるケースが多数報告されています。
特に夏の蓄積疲労が出やすい時期は、朝晩の涼しさから昼間の暑さへの警戒が薄れ、室内にいても「隠れ熱中症」を引き起こすリスクが高まります。
本記事では、なかざわ腎泌尿器科クリニック院長の中澤先生が季節の変わり目に潜む隠れ熱中症の危険性から、水・スポーツドリンク・経口補水液の正しい使い分け、緊急時の応急処置まで分かりやすく解説します。

この記事のポイント
・季節の変わり目の室内での危険性:9月でも熱中症は発生し、室内で何もしていなくても発症リスクがあるためエアコン活用や暑さ指数(WBGT)の確認が不可欠
・ドリンクの正しい使い分け:普段は水やお茶で十分。大量発汗時はスポーツドリンク等で塩分補給し、経口補水液は熱中症が疑われる非常時に使用する
・初期症状と応急処置:めまいや大量発汗、頭痛・吐き気は警戒サイン。涼しい場所で首元・脇下・足の付け根を冷やし、自力で飲めない場合は即救急車を呼ぶ

「秋口だから大丈夫」は危険!室内に潜む隠れ熱中症のリスク

熱中症とは、高温多湿な環境などによって体温調節がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態です。
「炎天下で運動したときに起こるもの」というイメージがあるかもしれませんが、屋内でも起こります。
厚生労働省も、室内で何もしていないときでも熱中症を発症することがあると注意を呼びかけています[2]。
季節の変わり目には、「真夏ではないから」とエアコンの使用を控えたり、朝晩が涼しくなったことで昼間の暑さへの警戒が薄れたりしがちです。
室温だけで判断せず、湿度や日差しなども含めた「暑さ指数(WBGT)」を参考にしながら、エアコンや日よけを上手に使い、暑さを避けましょう[3]。

「水をたくさん飲めばOK」ではない?正しい水分・塩分補給の基本

熱中症予防の基本は、暑さを避けることと、こまめに水分をとることです。
大切なのは、一度に大量の水を飲むのではなく、のどが渇く前からこまめに補給すること。
厚生労働省も、室内・屋外を問わず、のどの渇きを感じていなくても水分を補給するよう勧めています[2]。
ただし、汗を大量にかいた場合には、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
そのような状況では水だけではなく、塩分を含む飲み物や食品も活用します。
一方で、普段の生活ですべての水分補給を塩分入りの飲料にする必要はありません。
食事を通常通りとれていて、発汗量も多くない場合には、水やお茶などを中心に補給してよいでしょう。
「熱中症予防だから塩分は多いほどよい」というわけではない点にも注意してください。

水・スポーツドリンク・経口補水液はどう選ぶ?飲み物の使い分けガイド

目的によって使い分けることがポイントです。
日常生活での水分補給には、水などで十分な場合が多いでしょう。
長時間の運動や屋外作業などで大量に汗をかく場合には、水分と一緒に失われた塩分を補う必要があります。
日本スポーツ協会では、暑い環境で運動するときの水分補給として、0.1~0.2%程度の食塩を含む飲料を示しています[4]。
スポーツドリンクなども選択肢になります。
経口補水液は、水分と電解質を効率よく補給できるよう調整された飲料で、熱中症が疑われる場合などに使用されます。
ただし、健康な人が日常の水分補給として常に飲むものではありません。
また、経口補水液を一度に大量に摂取すると、ナトリウムを過剰にとる可能性があります。
腎臓病や心臓病などで水分や塩分の制限を指示されている方は、自己判断で摂取量を増やさず、主治医の指示に従ってください[5]。

「涼しくなったから大丈夫」が落とし穴

季節の変わり目にも、「暑さを避ける」「こまめに水分をとる」という基本は変わりません。
外出時には帽子や日傘を利用し、できるだけ日陰を選び、適度に休憩しましょう。室内ではエアコンなどを使用し、室温をこまめに確認してください[6]。
また、睡眠不足や体調不良などがある日は無理をしないことも重要です。
屋外で運動や作業をするときには、その日の気温だけではなく暑さ指数(WBGT)も参考になります。
「9月だから」「夏が終わりかけだから」と季節だけで判断せず、実際の暑さに合わせて対策することが大切です。

見逃さないで!熱中症が疑われる主な症状と正しい応急処置

めまい、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、強いだるさなどは、熱中症でみられる症状です[2、5]。
熱中症が疑われたら、まずエアコンの効いた室内や日陰などの涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首まわり・脇の下・足の付け根などを冷やします。
意識がはっきりしていて自分で飲める場合には、水分・塩分や経口補水液などを補給します[5]。
一方、呼びかけへの反応がおかしい、意識がない、自力で水分を飲めない場合には、無理に飲ませず、すぐに救急車を呼んでください[2、5]。

まとめ:暦よりも実際の暑さに合わせて対策を続けよう

暦の上では夏の終わりが近づいても、熱中症対策を終えてよいとは限りません。

季節の変わり目を元気に過ごすポイントは、
・のどが渇く前から、こまめに水分をとる
・大量に汗をかいたときは、水分だけでなく塩分も意識する
・水、スポーツドリンク、経口補水液を目的に合わせて使い分ける
・屋内でも暑さを我慢せず、エアコンなどを利用する
・体調不良の日には無理をしない

ことです。
季節の名前ではなく、その日の気温・湿度と自分の体調を見ながら対策を続けることが、隠れ熱中症予防につながります。

参考文献
[1]総務省消防庁「熱中症情報/過去の全国における熱中症傷病者救急搬送に関わる報道発表一覧」
[2]厚生労働省「熱中症予防のために」
[3]環境省「熱中症環境保健マニュアル」
[4]公益財団法人日本スポーツ協会「熱中症予防5ヶ条」「熱中症予防のための運動指針」
[5]厚生労働省「熱中症が疑われる人を見かけたら」
[6]厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」

執筆者


中澤佑介(なかざわ ゆうすけ)先生
金沢医科大学医学部医学科卒業。
「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。
2024年9月、JR金沢駅前に金沢駅前内科・糖尿病クリニック(https://kanazawa-naika.jp/)を開院。

なかざわ腎泌尿器科クリニック
https://www.nakazawa-cl.jp/

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