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「みんな写っちゃったけど、いい感じでしょ」授業参観で見せられた写真。私が消すように伝えたワケ

  • 2026.9.15

教室の後ろで、画面を向けられた

子どもが小学1年生になって、初めての授業参観の日だった。教室の後ろには保護者が二重に並び、みんな少し背伸びをしながら我が子の姿を探していた。

授業が始まる前、先生から写真について案内があった。

「撮影される場合は、ほかのお子さんが写り込むような撮り方はできるだけ控えてください。それから、撮った写真を外へ出すのもやめてくださいね」

撮影そのものは禁止されていなかったが、私は気をつかうくらいなら撮らなくてもいいと思い、スマートフォンはかばんに入れたままにしていた。

授業が半分ほど進んだころ、隣にいた同じクラスのママ友が、そっと私の肘をつついた。

「ねえ、見て。けっこうきれいに撮れたよ」

差し出された画面には、黒板の前に並ぶ子どもたちだけでなく、机の間を歩く先生や、後ろに立つ保護者まで写っていた。

「わあ…教室、ほとんど入ってるね」

私が少し戸惑いながら言うと、彼女はうれしそうに笑った。

「そうなの。みんな写っちゃったけど、いい感じでしょ。こういうの、あとで見たら懐かしいかなって」

悪気があるようには見えなかった。ただ、さっき先生から聞いた話が頭に残っていて、私は素直に「いいね」とは言えなかった。

授業が終わって廊下へ出ると、彼女はもう一度その写真を見せてきた。

「これ、もう家族にも送っちゃった。おばあちゃんも見たがると思って」

私は少し迷ってから聞いた。

「でも、ほかの子も先生もかなり写ってるよね」

彼女は画面を見直してから、少し首をかしげた。

「うん。でも家族だけだし、大丈夫かなって思ってた」

その場で言い合いになるのは嫌だったし、これからも子ども同士は同じ学校で過ごしていく。私は「そっか」とだけ返した。

やっぱり気になっていた

けれど、帰宅してからも写真のことが引っかかっていた。

自分の子どもが写った写真が、知らないうちに誰かのスマートフォンへ送られていたら、私はやはり気になる。

次に学校で顔を合わせたとき、私は思い切って声をかけた。

「この前の写真なんだけど…ちょっといい?」

彼女は私の顔を見て、「うん、どうしたの?」と立ち止まった。

「やっぱり、ほかの子もかなり写ってたでしょう。家族だけだとしても、自分の子の写真が知らないところに残るのは、私はちょっと気になるなって」

彼女はすぐには答えず、少しだけ表情を曇らせた。

「…やっぱり気になった?」

「うん。ごめんね、あとから言って。でも先生も最初に話してたし」

すると彼女は小さく息を吐いた。

「そっか。私、記念に残したいってことしか考えてなかったかも」

少し間を置いてから、彼女は続けた。

「私のスマホの分は消すね。送った家族にも、消してって言っておく」

「うん。そうしてもらえると安心する」

大げさな謝罪も、言い争いもなかった。少し気まずさは残ったけれど、それ以上話を引き延ばすこともなく、その日は別れた。

その日の夜、彼女から短いメッセージが届いた。

「この前の写真、消したよ。家族にもお願いしたから。気づかなくてごめんね」

私は「ありがとう」とだけ返した。

それきり、あの写真について話すことはなかった。その後の学校行事でも、少なくとも私が見ている範囲では、彼女がほかの子まで大きく入るような撮り方をしている姿は見なくなった。

言う側にも少し勇気は必要だった。それでも、気になったまま黙っているより、一度きちんと伝えてよかったと思っている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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