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「今はその話をしないで!」家族の容体が悪化した。だが、心配する義母を夫が止めた理由とは

  • 2026.9.15

段取りのいい義母から、最初にその話が出た

義母は世話好きで、何かあると誰より先に動く人だ。

悪気のある人ではない。ただ、何ごとも早めに段取りをつけておきたい性分だった。

その秋、私の家族の容体が急に悪くなった。

付き添いの日が続き、私は仕事を休んで病院へ通うようになった。夫も仕事帰りに着替えや飲み物を届けに来てくれていた。

義母から最初に電話があったのは、その週の半ばだった。

「大変でしょう。ちゃんと休めてる?」

「あまり…でも、大丈夫です」

すると義母は少し間を置いた。

「こんなときに言うのもなんだけどね。葬儀社のことだけは、少し考えておいたほうがいいかもしれないわよ」

思わず黙ってしまった。

義母は「急に必要になると大変だから」と続けた。心配して言っていることは分かっていた。

「…そうですね。必要になったら考えます」

その日は、それだけ答えて電話を切った。

数日後、家族の容体がさらに悪くなった朝、また義母から電話が鳴った。

私は病院の長椅子に座っていた。隣には夫がいて、紙コップを両手で持ったまま黙っていた。

「今、病院よね。どうなの?」

「まだ、何とも言えなくて…」

「そう…」

短い沈黙のあと、義母が言った。

「ねえ、この前話した葬儀社は決まったの?」

胸がぎゅっと縮むようだった。

「…まだです」

「そうなの。でも、いざというときに慌てるでしょう。どこにお願いするか、もう決めた?」

二度目に聞かれたところで、返事ができなくなった。

「お義母さん、今は…」

声が震えた。

夫が電話を受け取り、母親に3度伝えた

隣にいた夫が私の顔を見て、黙って手を差し出した。

そのとき夫の顔を見ると、眉のあいだに深い皺が寄っていた。怒っているというより、何かをこらえているような表情だった。

私はスマホを渡した。

「母さん。今、その話はやめてくれないか」

夫はしばらく黙って義母の話を聞いていた。

「分かってる。心配して言ってるんだろ。それは分かってるよ」

そして、もう一度続けた。

「でも今は、その話をしないでほしい」

電話の向こうで、また義母が何か話していた。

夫は小さく息を吐いた。

「母さん。お願いだから、今はやめてくれ」

3度目の声は、少しかすれていた。

電話を切ると、夫は私の隣へ戻ってきた。

「…大丈夫?」

私はうなずいたものの、すぐには声が出なかった。

「しばらく母さんからの連絡は俺が受けるよ。今は何も気にしなくていいから」

「ありがとう」

やっと、それだけ言えた。

それから1週間ほど、義母から私へ直接電話がかかってくることはなかった。夫が必要な連絡を引き受けてくれていた。

しばらくして、義母から手紙が一通届いた。

「よけいなことを言いました。ごめんなさい。声が聞けるようになったら、また電話をください」

夫は読み終えると、手紙を封筒へ戻した。

「返事は、できるときでいいからね」

義母なりに心配していたことは分かっている。それでも、相手を思って出した言葉が、そのときには受け止められないこともある。

あの日、夫が間に入ってくれたことで、私はようやく「今は聞けない」と思ってもいいのだと感じた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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