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「お義母さんだって孫の顔を見たいでしょう」正月の座敷で子どものことをしつこく聞かれた私。だが、夫がかばった瞬間

  • 2026.9.15

正月の座敷で、子どものことを3度聞かれた

結婚して初めての正月だった。夫の実家には朝から親戚が集まり、私は台所と座敷を行き来しながら、まだ名前と顔が一致しない人たちに頭を下げていた。

座敷には、夫側の親戚が10人集まっていた。上座には義母の姉、その隣に義母が座り、向かい側には夫と私が並んだ。

重箱が回り、しばらくは天気や正月番組の話をしていた。

空気が少し変わったのは、義母の姉が私のほうへ体を向けたときだった。

「ねえ、二人はまだなの?子ども」

急に聞かれて、一瞬言葉に詰まった。

「あ……はい。まだなんです」

私が笑って答えると、義母の姉は「あら、そうなの」とうなずいた。

それで終わったと思った。

ところが、煮しめの皿を回していると、またこちらを見た。

「でも、そろそろ考えてるんでしょう?」

「まあ……そのへんは、二人で」

できるだけ軽く返したつもりだった。

すると、「若いうちのほうがいいわよ」「お義母さんだって孫の顔を見たいでしょう」と話が続いた。

義母は困ったように笑っていたが、私はだんだん何と返せばいいのか分からなくなっていた。

その後、いったん別の話題になった。これで終わったのだろうとほっとしたころ、義母の姉がまた私を見た。

「それで、本当にまだ子どもはできないの?」

三度目だった。

周りから小さな笑い声が聞こえた。悪意があるようには見えなかったし、義母の姉にも深く考えている様子はなかった。

それでも、これだけ人がいる前で何度も聞かれると、さすがに笑って返すのがつらかった。

私は箸を持ったまま、どう答えようか迷っていた。

黙っていた夫が、箸を置いた

そのとき、隣にいた夫が箸を置いた。

「伯母さん、もうその話はいいよ」

義母の姉が、少し驚いた顔で夫を見た。

「え?何よ。ちょっと聞いただけじゃない」

夫はすぐには言い返さなかった。少し間を置いてから、私のほうをちらりと見た。

「うん。でも、もう何回も聞いてるだろ。答えにくいことだってあるんだからさ」

「そんなつもりじゃないのよ。私はただ…」

「分かってるよ。でも、俺たちのことだから。何かあったら、こっちから話すよ」

声を荒らげたわけではなかった。ただ、いつもより少し低い声だった。

義母の姉は夫と私を交互に見て、ようやく少し気まずそうな顔をした。

「……そう。そんなに嫌だったなら、ごめんね」

すると末席にいた親戚が、重箱の蓋を閉めながら口を挟んだ。

「まあ、もうその話はいいじゃない。せっかくのお正月なんだから」

「そうね。ごめんごめん。みかん、そっち取ってくれる?」

義母の姉がそう言うと、ようやく座敷の空気が動いた。

誰かがテレビの駅伝を見ながら順位を口にし、別の人がみかんの籠を回した。私に集まっていた視線も、少しずつテレビへ戻っていった。

しばらくして義母が台所へ立ったので、私も空いた皿を持って後を追った。

廊下に出ると、義母が小さな声で言った。

「ごめんね。何回も聞かれたら嫌よね」

「ちょっと困りましたけど……もう大丈夫です」

「ほんと、ごめんね」

義母はそう言って、申し訳なさそうに笑った。

翌年も、その次の年も、同じように親戚が集まった。みかんを回しながら駅伝を見る正月の風景も変わらない。

ただ、あの日のように子どものことを何度も聞かれることは、それきり一度もなかった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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