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「あの子、テーブルの上にいるよ」子どもを座卓に座らせた家族。だが、店員のスマートな対応で状況が一変

  • 2026.9.15
「あの子、テーブルの上にいるよ」子どもを座卓に座らせた家族。だが、店員のスマートな対応で状況が一変

通路をはさんだ座敷で、子どもが座卓の上に

休日の昼、2歳の息子を連れて家族三人でうどんの店に入った。十五分ほど待ち、通されたのは通路ぎわのテーブル席だった。

少し遅れて、通路をはさんだ座敷に五、六人ほどの家族が上がった。

祖父母と母親のように見える大人たちと、未就学くらいの子どもが二人。下の子は1歳くらいで、まだ歩き方がおぼつかなかった。

「ねえ、まだ?おなかすいた」

息子が私の袖を引っ張る。

「もうちょっとだよ。お水飲んで待ってよう」

そう言いながら、私は隣の座敷をなんとなく見ていた。

下の子は声を上げながら、座卓のまわりを歩いている。母親らしい女性が手を伸ばした。

「ほら、こっちおいで。危ないよ」

けれど子どもは楽しそうに体をひねり、また歩き出してしまう。

すると年配の女性が笑いながら子どもを抱き上げた。

「もう、じっとしてないねえ。ここでちょっと待ってようか」

そう言って子どもを下ろしたのは、座卓の真ん中だった。

湯呑みや割り箸、七味の入れ物の間に、小さな体がぺたりと座る。

私が思わず目を向けると、息子も不思議そうに見ていた。

「ママ…あの子、テーブルの上にいるよ」

「うん、見えたよ。こっち向いて待ってようね」

店員が持ってきた、子ども用の椅子

ちょうどそのとき、おしぼりを配っていた店員が座敷の前で足を止めた。

座卓の上を一度見てから厨房へ戻り、すぐに背もたれの付いた低い子ども用椅子を持って戻ってくる。

「お子さま用の椅子、お持ちしますね」

穏やかな声だったが、店内が騒がしく、年配の女性には聞こえなかったようだった。

店員は少し近づいて、もう一度声をかけた。

「すみません。お子さま用の椅子、お持ちしますね」

「あら、ごめんなさい」

年配の女性はそこで座卓の上を見て、子どもを抱き下ろした。

「ほら、こっちに座ろうね」

椅子に座った子どもは、今度は背もたれを両手でぱたぱた叩いている。

店員は椅子を座卓の横へ寄せながら言った。

「もうすぐお料理が来ますので、熱いものだけお気をつけくださいね」

「はい、ありがとうございます」

それ以上、店員が注意することはなかった。

ほどなくして座敷に料理が運ばれ、さっきまで子どもが座っていた場所には、湯気の立つ丼が並んだ。

店を出てから、夫が息子を抱きながらぽつりと言った。

「さっきは、ちょっとびっくりしたな」

「うん。私も見たとき、えっ、てなった」

「でも店員さん、怒らなかったね」

「椅子を持ってきて、普通に声かけてたね」

夫は「ちゃんと伝わってたしね」とうなずいた。

座卓の上に子どもが座っていたことにも驚いたけれど、相手を責める言い方をしなくても必要なことは伝えられる。その日の店員の対応のほうが、帰り道には強く印象に残っていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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