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「明日は命を落とすかも」北海道の港町で150年続く奇祭「天狗さま」に込められた思い

  • 2026.9.12

北海道各地で行われた夏まつり。
積丹半島の古平町で、150年近く続くめずらしい祭りに1年間にわたりカメラが密着しました。

人々の穢れや悩みを焼き尽くす神聖な炎。
古平町に約150年続く火祭り=琴平神社例大祭です。

猛々しい所作で神輿行列の道をひらくのは猿田彦。地元では「天狗さま」と呼ばれ、子どもには憧れの存在です。

「めっちゃカッコいい。高下駄で歩けるのがすごい」

一本歯の下駄で30キロ歩く!

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「天狗さま」を演じるのは、消防士の五十嵐竜太さん。
本番の3か月前から自宅の裏山で歩行訓練を始めていました。

バランスを取るのが難しい一本歯の下駄で30キロ、神輿行列を先導します。
エゾハルゼミの大合唱が終わるころ、祭りの季節を迎えます。

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祭り初日。面をつけた瞬間、五十嵐さんは「天狗さま」になります。

神様に失礼なことがあると…

港へ向かう神輿行列、そのとき。

「おい!こら!」と、猿田彦の警固役が観光客を指差し、厳しく諭します。

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怒られた観光客は「怖かったです。海に投げられると思いました」と振り返ります。

猿田彦警固役の堀清喜さんは「神様を横切ったり、神様に対して無礼なことをしたということで怒る」と話します。

漁師たちの気持ちが作り上げた厳格さ

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船底の向こうは深い海…あす、命を落とすかもしれない。
ギリギリのところで家族のために働く古平の漁師たちの気持ちが、厳格な祭りをつくり上げていったといわれています。

御神火(おみど)入りは、神様の一行が次々に炎に飛び込み、罪、穢れを祓い清める神事です。

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炎を担当するのは、猿田彦を演じる五十嵐さんの父=敬一郎さんです。
大量の鉋屑(かんなくず)をくべる父に対し、息子は「もっと入れろ」と煽ります。

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天狗さまが炎をくぐると、祭りはクライマックスを迎えました。

祭りが深める絆と今の苦労

祭りの目的のひとつに地域の絆を深めることがありますが、北海道の人口減少はこの担い手集めにも苦労することになります。

古平町の人口もピーク時には1万人だったのが、現在は約2500人。

HBCテレビ「今日ドキッ!」ゲストコメンテーターでフリーアナウンサーの野宮範子さんは「「子どもたちにとって、この天狗様は本当にかっこいいスーパースターのような存在だと思います。憧れを抱いた子どもたちが未来の担い手になってくれればいい」と話します。

「また、古平町の方々にとって、このお祭りは誇りであり特別な存在だと思うので、町を離れた人もこの時期には帰ってきたり、町民だけでなくお祭りに来てファンになった方など、町の内外を問わず多くの方が関わりを深めて担い手になっていただければうれしい。伝統を継承していってほしい」

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また、「ハレとケ」という言葉があるように、日常を幸せに暮らすためにも祭りのような「ハレ」の日は必要です。

ゲストコメンテーターの北海道開発技術センターの橋本幸理事長は、次のように述べます。

「お祭りは準備期間も含めて人を孤立させず、ご近所同士や世代間の距離を縮めてくれるコミュニティの役割を果たします。お祭り自体は一瞬の出来事かもしれませんが、終わった後の日常をこそ豊かにしてくれるのではないでしょうか」

古平町で約150年続く火祭り。地元の元気のためにも、これからも存続することを願います。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年8月5日)の情報に基づきます。

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