1. トップ
  2. エピソード
  3. 「終わるまで待ってようかな」校門、塾、バイト先まで現れた先輩。私が震えながら伝えた言葉

「終わるまで待ってようかな」校門、塾、バイト先まで現れた先輩。私が震えながら伝えた言葉

  • 2026.9.14

塾の駐輪場に、いつも先に立っている人がいた

中学生のころ、私は習い事が同じ2人の先輩とよく一緒にいました。

学校を卒業したあとも習い事では顔を合わせていて、私にとっては気軽に話せる頼れる存在でした。

その2人と同じ学年に、以前から妙に私を気にしてくる人がいました。家が近所だったようで、下校時間になると校門の近くに立っていることもありました。

「あ、いた。今日、一緒に帰らない?」

「今日は寄るところがあるので…」

「じゃあ途中まででいいじゃん」

強引に腕をつかまれたわけでもありません。それでも、断っているのに何度も声をかけられることが、少しずつ怖くなっていきました。

けれど当時は、「それくらいで?」と言われる気がして、誰にも相談できませんでした。

中三の春になると、すでに中学を卒業していたその人が、私の通う塾にも来るようになりました。

曜日も教室も違ったので、最初は偶然だと思っていました。

ところが授業を終えて駐輪場へ出ると、私の自転車のそばに立っていることがありました。その年だけで三度ありました。

「今日、遅かったね」

「…なんで終わる時間、知ってるんですか?」

「待ってたら分かるかなと思って」

相手は笑っていましたが、私は笑えませんでした。

そのうち、教えていないはずの連絡先にも、その人から連絡が来ました。どうやって知ったのか聞くこともできず、私は返事をしないままやり過ごしました。

バイト先まで来られて、初めて相談した

高校へ進学し、私は駅前の店でアルバイトを始めました。

働き始めて三か月ほど経ったある日、休憩を終えて店へ戻ろうとすると、外の柵のそばに見覚えのある人が立っていました。

あの先輩でした。

「ここで働いてたんだ」

思わず足が止まりました。

「……どうして、ここ知ってるんですか?」

「たまたま見かけてさ。今日、九時までなんでしょ?」

そして、何でもないことのように続けました。

「終わるまで待ってようかな」

その瞬間、ぞっとしました。働いている場所も、勤務が終わる時間も、私は教えていません。

その夜、私は中学時代から付き合いのある2人の先輩に電話をしました。

「ちょっと…聞いてほしいことがあるんです」

校門で待たれていたこと。塾の駐輪場で三度待たれたこと。知らないはずの連絡先に連絡が来たこと。そして、バイト先にまで現れたこと。

話し終えると、先輩の一人が少し間を置いて言いました。

「それ、ずっと一人で抱えてたの?」

「大げさかなって思って……」

「大げさかどうかより、嫌だったんでしょ?」

その言葉を聞いて、ようやく「怖かった」と口にすることができました。

後日、2人はその人に声をかけ、私も一緒に話すことになりました。

「この子、ずっと困ってたんだよ」

相手は驚いたように私を見ました。

「え……そんなふうに思ってたの?」

私は震える声で答えました。

「何度も待たれるのも、連絡先を知られていたのも怖かったです。バイト先まで来られて、本当に嫌でした」

そして、今度は曖昧に笑わずに言いました。

「もう、待ったり連絡したりしないでください」

相手はしばらく黙ったあと、「分かった」とだけ答えました。

それ以降、店の前で待たれることも、連絡が来ることもありませんでした。

帰り道、先輩の一人が「次からは、嫌だと思った時点で言っていいんだから」と声をかけてくれました。

あのころの私は、相手が何をしたかよりも、「これくらいで怖がる自分がおかしいのかもしれない」と考えていました。誰かに話したことで、ようやく自分の感じていた怖さを認められた気がします。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ