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「今日、誕生日だよね」教えた覚えのない同期から渡されたカード。あとで分かった知っていた理由

  • 2026.9.14

好きなものが同じだった、同期の話

入社二年目の春、同じ部署に配属された同期の男性と、二人で新人の教育係を任された。

好きな歌手が同じだと分かってから、休憩室ではその話をすることが増えた。

「新人さんたち、思ったよりしっかりしてるよね」

「うん。私のほうが説明しながら焦ってるかも」

「分かる。俺も昨日、順番飛ばしかけた」

そんなふうに笑える相手で、私はただ話しやすい同期だと思っていた。

少し気になり始めたのは、六月の懇親会のあとだった。

店を出て何人かで駅へ向かい、駅前でそれぞれ使う路線へ分かれた。私は彼に「じゃあ、また月曜ね」と声をかけ、自分の改札へ向かった。

「うん。気をつけて帰って」

少し歩いて振り返ると、彼はまだ駅前に立っていて、こちらへ小さく手を振っていた。

その週の金曜、帰宅して上着を脱いだころ、スマホの画面が光った。

彼からだった。

「お疲れ。もう着いた頃かな?」

私は画面を見たまま、少し手が止まった。自宅の場所も最寄り駅も、彼には教えていない。

とはいえ、たまたま時間が合っただけかもしれない。「お疲れさま」とだけ返して、その日はそれ以上気にしないことにした。

ところが翌週、また帰宅したころにメッセージが届いた。

「今日もお疲れ。もう家?」

二度続くと、さすがに少し気になった。

そしてその次の週にも、玄関に入って間もなくスマホが鳴った。

「そろそろ着いた?」

三度目だった。

返事を打ちかけて、私は指を止めた。偶然だと言われれば、それまでなのかもしれない。それでも毎回、家に着くころに届くことが、だんだん気味悪く感じられた。

誕生日を教えた覚えのない相手から渡されたカード

翌月の朝、出勤すると、机の上に小さな紙袋が置かれていた。

中には小さな包みと、二つ折りのカードが一枚入っている。

紙袋を見ていると、彼がこちらへ顔を向けた。

「今日、誕生日だよね。おめでとう」

「え……ありがとう。でも、なんで知ってるの?」

思わず聞き返すと、彼は少し意外そうな顔をした。

「あれ、聞いてなかったっけ?」

「少なくとも、私からは言ってないと思う」

「そっか。誰かと話してるときに聞いたのかな」

彼はそう言って、自分の席へ戻っていった。

カードには、以前私が一度だけ「この曲がいちばん好き」と話した曲名が書き添えられていた。その話をしたとき、休憩室にいたのは私と彼だけだった。

プレゼントをもらったこと自体が嫌だったわけではない。ただ、「どうして知っているんだろう」という疑問のほうが頭に残った。

昼休み、近くの席の同僚が紙袋を見て声をかけてきた。

「今日、誕生日だったよね。おめでとう」

「ありがとう。前に話したの、覚えてたんだ」

その同僚とは以前、昼休みの雑談で誕生日の話をしたことがあった。

私は少し迷ってから聞いてみた。

「あの人にも、私の誕生日って話した?」

「え?」

同僚は少し考えてから、申し訳なさそうに眉を寄せた。

「あ……そういえば前に聞かれたかも。普通に答えちゃった気がする。まずかった?」

「ううん。そうだったんだって思って」

それ以上は何も言わなかった。

誕生日を知っていた理由は、それで分かった。彼が勝手に調べたわけではなかったのだと思う。

ただ、帰宅するころをどうして三度も当てられたのかは、結局分からないままだった。

四年が経ち、私はもう別の会社にいる。彼の連絡先も残していないし、それ以来、一度も顔を合わせていない。

それでも、あのときもらったカードを見ると、帰宅したころに続けて届いたメッセージを思い出すことがある。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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