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「元旦那から入ったらすぐ返すから」友人に貸した2万円。3度目の約束を断られた日、目にした一枚の写真に感じた違和感

  • 2026.9.14

二十二歳の夏にかかってきた電話

県外に引っ越した友人から電話がかかってきたのは、私が二十二歳の夏だった。子どもを一人で育てていることは、年賀状のやりとりで知っていた。受話器の向こうの声は、いつもより沈んでいた。

「ごめん、こんなこと頼みたくなかったんだけど……今月ちょっと厳しくて」

言いにくそうに黙ったので、私から聞いた。

「どのくらい足りないの?」

「2万円。元旦那から入ったらすぐ返すから。2万円だけ、貸してもらえない?」

一瞬迷ったものの、当時の私は実家暮らしで、給料にも多少余裕があった。

「わかった。振り込めばいい?」

「うん。本当にごめん。助かる」

翌日には振り込みを済ませ、控えを財布にしまった。事情が事情だからと思い、その後はこちらから返済の話を出さなかった。

数週間後、久しぶりに会おうという話になった。お互いの住む場所の中間あたりにある駅で待ち合わせて、昼を食べるだけの約束だった。

ところが当日の朝、家を出る一時間ほど前に連絡が来た。

「ごめん、子どもが熱出しちゃった。今日、無理そう」

「そっか。それなら仕方ないよ。今日はそばにいてあげて。また今度にしよう」

二度目は、その二か月ほどあとだった。今度は前の晩から店を調べ、当日は私のほうが先に待ち合わせの駅へ着いていた。

改札の近くで待っていると、友人から短い連絡が届いた。

「本当にごめん。身内の具合が悪くなって、今日行けなくなった」

がっかりはしたものの、責めることでもないと思った。

「わかった。こっちは大丈夫だから、そっち優先して」

「ごめんね。また予定合わせよう」

三度目の約束は、さらに季節が進んでからだった。前日にも「明日、大丈夫だよね?」と確認すると、「大丈夫。今度こそ行く」と返事が来ていた。

その日も私は先に駅へ着き、改札近くで友人を待っていた。

ところが待ち合わせの少し前、また連絡が入った。

「ごめん。今日、行けなくなった」

「また…?」

思わず声が漏れた。

改札の柱のそばに寄り、これまでのやりとりをさかのぼった。当日になって約束が流れた履歴が、これで三つになっていた。

その夜に流れてきた一枚

家に帰ったその夜、友人が投稿した一枚の写真が画面に流れてきた。

テーブルの上には、箱から出したばかりのようなゲーム機が置かれていた。新しい型で、私でも数万円はするものだと分かった。

「え……今日?」

三度目の約束を断られた、その日の夜の投稿だった。

もちろん、その写真だけで誰が買ったのかまでは分からない。それでも、返してもらっていない2万円のことが急に頭から離れなくなった。

翌週、職場の休憩室で先輩に打ち明けた。

「友達に2万円貸してるんです。『元旦那から入ったらすぐ返す』って言われて」

「それ、いつ貸したの?」

「もう半年前くらいです」

「まだ返ってきてないの?」

「はい。それに、会う約束も3回とも当日に流れてて……」

私は迷った末に、ゲーム機が写った投稿も見せた。

「これ、三回目に断られた日の夜なんです」

先輩は少しの間、画面を見ていた。

「これだけじゃ事情は分からないけど、気になってるなら一回ちゃんと聞いてみたら?」

「でも、お金返してって言うのも嫌で……」

「責めなくてもいいじゃない。気になってることを、そのまま聞けばいいんだよ」

私はうなずいたものの、その日は結局何も送れなかった。

ところが一週間ほどして、友人のほうからまた連絡が来た。

「ごめん。またちょっとだけ助けてもらえない?」

その一文を見て、さすがに気持ちが固まった。

私はこれまで約束が流れた三日の日付を書き出し、最後に写真が投稿された日のことを添えた。

「この日の夜の写真、覚えてる? 前に貸した2万円のことも、私はずっと気になってる」

送信してから二日待った。

返事は来なかった。

私はそれ以上追いかけず、連絡先を消した。財布に入れたままだった振り込みの控えも、その日に捨てた。

後日、休憩室で先輩に「あの友達、どうなった?」と聞かれた。

「返事、来ませんでした。もう連絡先も消しました」

「そっか……」

先輩は少しだけ間を置いてから、紙コップを持ち上げた。

「痛い2万円だったけど、これ以上貸さずに済んだと思うしかないね」

「そうですね」

そう答えると、ようやく少しだけ肩の力が抜けた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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