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「私の借金なんだから、関係ないでしょ!」生活費を3万しか出さなくなった彼女に、私が別れを決めた理由

  • 2026.9.13
「私の借金なんだから、関係ないでしょ!」生活費を3万しか出さなくなった彼女に、私が別れを決めた理由

封筒が薄くなった月

同棲を始めて二年目の春だった。生活費は毎月お互い5万円ずつ、台所の引き出しに置いた茶封筒に入れる。

家賃も光熱費も食費もそこから出す。それが二人で決めた形だった。

その月、封筒を持ち上げたとき、いつもより薄い気がした。中を数えると3万円しか入っていない。

「ごめん。今月ちょっときつくて…3万しか入れられない。残り、来月でもいい?」

彼女は洗い物をしながら、こちらを見ずに言った。

「何かあった?」

「ちょっと出費が重なっただけ。来月にはちゃんと入れるから」

「そっか。じゃあ今月は俺が多めに入れとくよ」

そのときは、本当に一時的なことだと思っていた。

ところが次の月も封筒は薄かった。その次も同じだった。

「今月も3万?」

「うん…ごめん。もうちょっとだけ待って」

「来月には戻せそう?」

「たぶん。大丈夫だから」

そう言われると、それ以上は聞きづらかった。

そんなやり取りが半年ほど続き、気づけば私が毎月7万円を出す形になっていた。それでも足りない月は、自分の財布から追加していた。

ある朝、ポストに彼女宛ての封書が入っていた。差出人には貸金業者の名前があった。

私が渡すと、彼女はその場で封を開けた。取り出した紙を見た瞬間、表情が固まった。

テーブルに置かれた紙には、残高28万円という数字と、返済が止まっていることが書かれていた。

「…これ、何?」

私が聞くと、彼女は少し黙ってから紙を手に取った。

「昔の買い物の残り。そんな大したものじゃないよ」

「でも、返済止まってるって書いてあるじゃん」

「だから、これから返すって」

「生活費だって、5万ずつ出すはずだっただろ。最近ずっと3万だったのって、これが理由?」

彼女の顔から笑みが消えた。

「…何? 私のお金のことまで全部説明しなきゃいけないの?」

「全部なんて言ってないよ。でも、その分こっちが出してたんだよ」

「私の借金なんだから、関係ないでしょ!」

「借金だけならそうかもしれない。でも、生活費は二人の話だろ」

彼女は返事をせず、紙を折りたたんで引き出しの奥へしまった。

翌月にも、同じ差出人から封書が届いた。

台所の引き出しに置いた鍵

その週末、私は家計ノートを台所のテーブルに開いた。半年ぶんの日付と金額が、自分の字で並んでいる。

彼女は向かいに座り、しばらく黙ってページを見ていた。

「…これ、ずっとつけてたの?」

「うん。責めるためじゃないよ。ただ、途中から俺も何にいくら出してるのか分からなくなってきたから」

「じゃあ、私が払ってないって言いたいの?」

「そういう言い方したいんじゃない」

「じゃあ何?」

私は少し言葉を探した。

「お金が足りないなら、最初に言ってほしかった。借金があることより、何も言わないまま俺が出す額だけ増えてたのが、しんどかったんだよ」

彼女は目を伏せた。

「……言ったら怒ると思った」

「怒ったかもしれない。でも、あとからこうやって分かるよりはよかったよ」

しばらく沈黙が続いた。

私は前の晩から決めていたことを伝えた。

「俺、来週ここを出る」

彼女が顔を上げた。

「待ってよ。ちゃんと返すから。少し時間くれたら…」

「返す返さないだけの話じゃないんだ」

「じゃあ、もう無理ってこと?」

「今のまま一緒に暮らすのは、もう無理だと思う」

彼女は何か言いかけたが、そのまま黙った。

「急に全部負担させるのも違うと思うから、来月分の家賃までは俺が出す。でも、荷物は来週運ぶよ」

翌週、私は荷物を運び出した。

最後に台所の引き出しを開けると、二人で生活費を入れていた茶封筒が残っていた。その上に自分の鍵を置き、部屋を出た。

数日後、会社帰りに同期と食事をした。別れたことだけ話すと、同期が少し迷いながら聞いてきた。

「……お金のことが原因?」

「それだけじゃないけどな」

「何があったんだよ」

「督促状が来てさ。生活費は5万ずつのはずだっただろって聞いたんだ」

「それで?」

「『私の借金なんだから関係ないでしょ』って」

同期は少し黙った。

「それは……きついな」

「借金があったことより、何も知らないまま俺が穴埋めしてたのが一番きつかった」

そう口にして、ようやく自分が何に引っかかっていたのか分かった気がした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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