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「これくらい別にいいでしょ。何が悪いの?」温泉で続いた迷惑行為。フロントに伝えたあと、利用客が漏らした本音

  • 2026.9.11

湯気の向こうに、白いタオルが浮いていた

連休にやっと取れた温泉の宿でした。夕食前の大浴場は静かで、湯気で天井が白く煙っています。

私が端のほうで肩までつかっていると、湯の真ん中に白いものが浮いていることに気づきました。

畳んだタオルです。

持ち主らしい女性は、湯船の縁に頭を預けて目を閉じていました。

しばらくして、先に入っていた女性が少しためらいながら声をかけました。

「あの…すみません。そのタオル、お湯には入れないほうがいいと思いますよ」

女性は目を開けると、浮いているタオルをちらっと見ました。

「え?これくらい別にいいでしょ。何が悪いの?」

困ったように笑い、そのままタオルを引き上げる様子はありません。

少しすると、今度は湯船につかったまま、手で顔を何度もこすり始めました。

近くにいた別の女性が、さすがに気になったのか声をかけます。

「すみません…顔を洗うなら、洗い場でお願いできませんか」

すると女性は、小さくため息をつきました。

「もう、細かいなあ。別にそんな汚してないじゃない」

そう言って笑うと、ようやく湯船から上がっていきました。

ところが間もなく、脱衣所のほうから大きな話し声が聞こえてきました。

「うん、いま温泉。そうそう。思ったよりぬるいかも」

電話をしているようでした。

湯船に残った四、五人が、なんとなく顔を見合わせます。

最初に注意した女性が、小さな声で言いました。

「さすがに、ちょっと困りますね…」

私も黙ってうなずきました。

フロントで、見たことをそのまま伝えた

大浴場を出たあと、私は浴衣のまま一階のフロントへ向かいました。

少し迷いましたが、ほかの人も困っている様子だったので、見たことを伝えることにしました。

「すみません。大浴場のことで、ちょっとお伝えしたいことがあって…」

フロントの男性が、手を止めてこちらを向きました。

「はい。どうされましたか?」

「浴槽にタオルを入れている方がいて、ほかのお客さんが注意したんですけど、やめなくて…。湯船の中で顔も洗っていました」

少し間を置いて付け加えました。

「今は、脱衣所で電話もしているみたいです」

男性の表情が少し引き締まりました。

「そうでしたか。ご連絡ありがとうございます」

「私が気にしすぎなのかなとも思ったんですけど…」

そう言うと、男性は首を横に振りました。

「いえ。こちらで確認します。せっかくおくつろぎのところ、申し訳ありません」

男性はすぐに受話器を取り、短く何かを伝えていました。

そのあと、女性の従業員が二人、階段を上がっていくのが見えました。

私は冷たいお茶を一本買い、脱衣所に置いていた荷物を取りに戻りました。

戸を開ける少し前、中から従業員の声が聞こえます。

「お客様、申し訳ありません。浴槽の中にはタオルを入れないようお願いしているんです」

少し間がありました。

「あと、脱衣所での携帯電話のご使用も、お控えいただけますか」

鏡の前にいた女性の手が止まりました。

「え…でも、ちょっと話してただけなんだけど」

「はい。ただ、ほかのお客様もいらっしゃいますので、ご協力をお願いします」

従業員は責めるような言い方をせず、静かに伝えていました。

女性は何か言いかけましたが、結局それ以上は言わず、かごから浴衣を取り出しました。

そのとき、ちょうど湯船から上がってきた女性が私のそばで立ち止まりました。最初に声をかけていた人です。

「フロントに言ってくださったんですか?」

「はい。ちょっと迷ったんですけど…」

するとその人は、ほっとしたように笑いました。

「よかった。私も、もう一度言うべきかなって、ずっと迷ってたんです」

そのあと浴場へ戻ると、湯の面に白いタオルはもう浮いていませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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