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「実際走ってるじゃない。しつけはどうなってるの」廊下を走った子どもを注意した母親。それでも続いた隣人の言葉に、別の住人が口を開いた

  • 2026.9.11
「実際走ってるじゃない。しつけはどうなってるの」廊下を走った子どもを注意した母親。それでも続いた隣人の言葉に、別の住人が口を開いた

廊下で走った二人を、その場で止めた

買い物袋を提げて三階まで上がったところで、子どもたちが先に走り出した。

共有廊下にぱたぱたと足音が響き、私は慌てて声をかけた。

「ちょっと、走らないよ。ここはみんなが通るところだから」

二人ともすぐに足を止めた。

「ごめんなさい」

上の子が振り返り、今度はゆっくり歩いて玄関まで戻ってくる。

下の子は私の買い物袋を持ちたがり、上の子は「鍵、開けていい?」と手を伸ばしていた。

私がかばんの中を探していると、すぐ横の玄関が勢いよく開いた。

「ちょっと、いいですか」

隣の住人だった。明らかに怒った顔をしている。

「はい…」

「さっきから、廊下を走る音すごかったんだけど」

「すみません。今、注意したところです」

「今だけじゃないですよね。前から何度も聞こえてますよ」

私は買い物袋を足元に置いて、頭を下げた。

「本当にすみません。走ったら止めるようにはしているんですが…」

すると相手は、さらに声を強めた。

「でも、実際走ってるじゃない。しつけはどうなってるの」

その言葉に、上の子の顔がこわばった。

「すみません。子どもたちには私から話しますので」

「毎回それじゃ困るんですよ。こっちは家で静かに過ごしたいんだから」

「はい。それは分かっています。本当に気をつけます」

そう答えても、相手はなかなか玄関へ戻らなかった。

「ちゃんと見ててくださいよ。こっちだって、いちいち言いたくないんだから」

同じ話が何度も続いた。ほんの数分だったはずなのに、玄関の前で立ったまま聞いている時間が妙に長く感じられた。

泣き出した子の横に、別の住人が立った

やがて下の子が私の服の裾を握り、小さな声で泣き始めた。

「ママ、ごめんなさい…」

上の子も下を向き、自分の靴のつま先を見ている。

走ったことはよくない。ただ、これ以上子どもたちの前で責められるのはつらかった。

「すみません。でも、子どもに直接言うのはやめてもらえませんか。私に言ってください」

「私は別に、子どもに怒ってるわけじゃないですよ」

「でも、今かなり怖がっているので…」

そのとき、少し離れた部屋のドアが開いた。

同じ階に住む年配の女性が、心配そうにこちらを見ている。普段は廊下ですれ違うと挨拶をする程度の人だった。

「あの…大丈夫ですか?さっきから声が聞こえていたので」

隣の住人が振り返った。

「この人の子どもが廊下を走ってたんですよ」

「ああ、それなら私も聞こえました」

年配の女性はそう言ってから、私の横で泣いている子を見た。

「でも、お母さんもすぐに『走らないよ』って止めてましたよ」

隣の住人は一瞬黙った。

「…でも、前から気になってたんです」

「そうだったんですね。それなら、落ち着いて話したほうがいいと思いますよ。お子さんも泣いてますし」

責めるような口調ではなかった。ただ、その一言で、それまで張りつめていた空気が少しだけ変わった。

隣の住人は子どもたちを見てから、小さく息を吐いた。

「……とにかく、気をつけてください」

「はい。すみませんでした」

今度はそれだけで会話が終わり、隣のドアが静かに閉まった。

年配の女性は下の子の近くまで来ると、少しかがんだ。

「びっくりしたね。もう大丈夫だからね」

下の子は涙をぬぐいながら、小さくうなずいた。

私は改めてお礼を言った。

「すみません。声、かなり響いてましたよね」

「ちょっと心配になっただけですよ。お母さんも大変でしたね」

それからは子どもたちにも、共有廊下では必ず歩くよう、以前より念を押すようになった。

隣の住人とは今も深く話すことはない。ただ廊下で会えば、お互いに小さく会釈をする。そのくらいの距離が、今はちょうどいいと思っている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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