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「何軒もの家に迷惑をかけてたの?」玄関に貼られた「近隣住民一同」の苦情。だが、町内会長さんに見せると思わぬ反応が

  • 2026.10.1

玄関のドアに貼られていた一枚

夫と新しい町に引っ越してきて、ひと月ほどたったころの話です。町内のゴミ捨て場は住宅地の真ん中にあり、ゴミを出していいのは朝5時から8時までと決まっていました。

夫はシフト制の仕事で、早番の日は朝5時に家を出ます。

燃えるゴミの日は、そのまま袋を置き、そのまま駅へ向かうのがいつもの流れでした。

ある日、仕事から帰ると、玄関のドアに白い紙が貼られていました。

マジックの太い字で、ゴミを捨てるときの音が大きいので静かにしてほしい、と書かれています。

そして最後の署名を見て、私は息をのみました。

夜、帰宅した夫に張り紙を見せました。

「これ…『朝5時のゴミの音が大きい、近隣住民一同』って」

夫は紙を見つめ、困ったように首をかしげました。

「缶も瓶も入ってないし、普通に置いただけなんだけどな…」

「でも“一同”って書いてあるよ。何軒にも聞こえてたのかな」

夫は少し考えたあと、「次からもっと静かに置くよ」と言いました。

私も、知らないうちに近所へ迷惑をかけていたのかもしれないと思うと落ち着きません。

念のため張り紙を写真に残し、それからそっとはがしました。

写真を見た町内会長さんの反応

数日後の夕方、夫と買い物から帰る途中で町内会長さんに会いました。

70代くらいの男性で、引っ越しのあいさつをしたときにも丁寧に話を聞いてくれた人です。

夫は会長さんを見るなり、頭を下げました。

「この前は、ゴミ捨ての音ですみませんでした」

「え?何のこと?」

会長さんは眉を上げ、私たちの顔を見比べました。

そこで私がスマートフォンに残していた張り紙の写真を見せると、会長さんはしばらく画面を見つめてから、ため息をつきました。

「……またか。これ、“近隣住民一同”じゃないよ」

私たちは思わず顔を見合わせました。

「ゴミ捨て場のいちばん近くの家の奥さんが、一人で書いたものだよ。前にも別の家で同じことがあってね」

「え、一人で…?」

何軒もの家から苦情を受けていると思っていただけに、すぐには言葉が出ませんでした。

会長さんは「その写真、送ってもらえる?」と言い、その日のうちに奥さんの家を訪ねてくれました。

「気になるなら、町内会を通して」

後日、会長さんからそのときの話を聞きました。

会長さんは60代くらいの奥さんに写真を見せ、穏やかに伝えたそうです。

「気になることがあるなら、今度から町内会に言ってください。“近隣住民一同”と書くなら、一人の名前では出せないからね」

奥さんは写真を見たまま黙り、最後に小さくうなずいたとのことでした。

それ以来、玄関に張り紙を貼られることはありませんでした。

翌週の燃えるゴミの日、私がゴミ捨て場へ行くと、ちょうどその奥さんが袋を置いたところでした。目が合うことはありませんでしたが、奥さんは小さく会釈をして家へ戻っていきました。

そのあと、通りの向こうから会長さんが歩いてきました。

「朝5時は決まりの時間内なんだから、出すこと自体は気にしなくていいよ」

その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。

次の早番の日も、夫はいつもどおり朝5時にゴミ袋を置いて出かけました。もちろん音には気をつけています。

そして玄関のドアには、もう何も貼られていませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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