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「捨てるのも金がかかるだろ」元カノと買ったソファを使い続けた俺が、ゴミ袋の底で見つけたもの

  • 2026.9.10
ハウコレ

買い替えを持ちかけられるたび、俺が考えていたのは値段と粗大ごみの料金でした。友人が帰ったあと、ゴミ袋の底から出てきたもので、俺はやっと自分の鼻を疑います。

彼女はうちで暮らし始めて3日で、ソファに座らなくなりました。

元カノと選んだソファを、そのまま使っていました

俺が5年住んでいる部屋に、彼女が越してきました。リビングの3人掛けのソファは、元カノと2人で選んだものです。引っ越しの日に「これ、いつ買ったの?」と聞かれ、隠すことでもないので「5年前。前に付き合ってた子と選んだやつ」と答えました。彼女は「へえ」とだけ返しました。別れたのは1年前で、それからは1人で使っていました。布のカバーを外して洗ったことは一度もありません。最初の数日は真ん中に座っていた彼女が、いつのまにかラグへ移り、背中だけソファに預ける形に落ち着きます。床が好きな人なのだろうと、俺は勝手に決めつけていました。

何度言われても、俺は値段の話にしていました

越してきて1カ月ほどしたころ、彼女が「そろそろ買い替えない?」と言いました。俺の返事は「まだ十分使えるだろ」です。そのあとも、ときどきソファの話が出ます。彼女がソファを嗅いで「これ、なんの匂いか分かる?」と聞かれたときは、適当に「洗剤じゃないの」と返しています。別の日には「私、ここに座るとなんだか落ち着かないの」と言われました。俺は粗大ごみの料金を調べ、2000円という数字を見せて「捨てるのも金がかかるだろ」と答えています。実家のソファは12年もちました。使える物に金を払って捨てるほうがよほど無駄ですし、未練だと疑われているなら心外です。彼女は「そっか」と言ったきり、話を続けませんでした。

友人が寄ったのは、俺が座らない側でした

友人が部屋に来て、ソファの真ん中に座りました。彼女はいつもどおりラグに腰を下ろし、麦茶を注いでいます。しばらくして、友人が左側へ少し寄りながら「この辺、なんか甘い匂いするな」と言いました。彼女は氷の音だけ立てて黙っています。続けて「彼女さん、そこ座らないの?」と聞かれると、彼女は「床のほうが好きなので」と答えました。やっぱり好みの問題だと、俺は納得しています。友人が帰ったあと、ゴミをまとめていた俺の手に、軽い容器が当たりました。見覚えのない布用消臭スプレーで、ラベルには無香料と書いてあります。彼女が何かの匂いを消すために使っていたのだと、そこで初めて気づきました。友人が寄っていた左側へ顔を近づけると、かすかに甘い匂いがしました。

そして...

元カノと付き合っていたころ、左端に置いてあった香水のボトルを倒したことがあります。縫い目まで濡れて2人で拭きましたが、残った香りもそのうち気にしなくなっていました。俺がいつも座るのは右側です。毎日ここにいる鼻は反対側の匂いを拾わなくなっていたのでした。彼女は何度もソファの話を出していたのに、俺はそのたびに、まだ使えるとか洗剤じゃないかとか、自分に分かる話へ置き換えていました。翌日、引き取りを申し込み、2000円は俺が払いました。新しいソファは彼女と選びました。謝ったのは元カノとのソファを使っていたことではなく、何度も出ていた合図を、都合のいい話に変えて聞いていたことです。今は、彼女と2人でソファに座っています。

(20代男性・システムエンジニア)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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