1. トップ
  2. エピソード
  3. 元カノと比べた一言に返ってきた、元カレの長所を並べた彼女のリストが刺さった理由

元カノと比べた一言に返ってきた、元カレの長所を並べた彼女のリストが刺さった理由

  • 2026.10.2
ハウコレ

ソファに置いたスマホの画面が暗くなるまで、送った文面を見ていました。「元カノはもっと優しかった」。付き合って1年半、一度も口にしなかった名前を、俺は逃げ道として使ってしまったのです。

「今日ほんとしんどかった」と送った理由

取引先の担当者から「今回は見送ります」と言われたのは、会議室を出た直後でした。半年追いかけた契約が、その一言で終わり。デスクに戻る前に、彼女へ「今日ほんとしんどかった」とだけ送りました。何があったかは書いていません。

「今残業中。後でね」

既読は早くて、返信も早い。それが余計に、後回しにされたように感じました。

帰宅してからの2時間、チャットは開いたままでした。優しくしてほしいと言えないなら、優しくないと責めればいい。そんな計算を、指が勝手にしていました。

1行ずつ届いた「じゃあ元カレは」

送信して数秒で既読が付き、間を置かずに「じゃあ元カレは」が届きました。続けて1行ずつ。

「記念日を忘れなかった」

「私の話を途中で遮らなかった」

「疲れてても八つ当たりしなかった」

元カレの長所を並べたもののはずなのに、読めば読むほど、書いてあるのは俺のことでした。去年の記念日に日付を間違えたこと。彼女の話の途中で仕事の電話を優先したこと。そして今日、しんどさをぶつけたこと。彼女は俺に言えなかったことを、一つずつ拾い上げている。そう気づいたところで、3行目から少し間が空きました。

「私に元カノの話をしなかった」

この1行だけは、重さが違いました。前の3つはこれから直せる。でも、口にした名前は戻せない。

書いては消した一通を、そのまま送るまで

「契約落とした」。あの言葉を最初に送っていれば、彼女は「後でね」のあとで、ちゃんと聞いてくれたはずです。それを飛ばして、比べることで優しさを引き出そうとした。その4行は順番の間違いを、そのまま映していました。

既読を付けたまま、しばらく画面を閉じました。そして、包み隠さず送りました。

「ごめん」

続けて、今度は消さずに送ります。

「今日、契約落とした。優しくされたくて、ずるい言い方した」

返ってきたのは「それを最初に送ってよ」。責める言葉のはずなのに、読み終えて、ソファの背にようやく体を預けました。

「うん。次はそうする」と返して、スマホを伏せました。

そして...

翌日会った彼女には、元カノの名前を出さないまま、契約を落とした経緯だけを最後まで話しました。今は、しんどい日に送る文面を先に決めています。「今日、契約落とした」のように、何があったかを一行目に書く。比べる言葉は、その後ろにも入りません。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ