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「お父さん」と呼び始めた私が、父に学校の紙を渡せなかった理由

  • 2026.9.9
ハウコレ

中学の課題で、父の仕事について聞くことになりました。相手は父にすると決めていましたが、お願いをする前に、私は呼び方だけを「パパ」から「お父さん」に変えました。ところが紙を持って居間へ行った日、父の電話から「忙しい」という言葉が聞こえてきました。

お願いの前に変えた呼び方

中学の職業調べで、働いている大人から仕事の話を聞くことになりました。私は父にお願いするつもりでした。

ただ、学校の課題について改まって頼むのに、「パパ」と呼ぶのが少し照れくさかったのです。それなら先に呼び方を変えてしまおうと思いました。

食卓で、私は父に言いました。

「お父さん、しょうゆ取って」

父はしょうゆを渡してくれました。その場では何も言われなかったので、呼び方を変えたことには触れられずに済んだと思っていました。

紙を渡せなかった理由

学校の紙を持って居間へ行くと、父は仕事の電話をしていました。

「今月は忙しくて、休みが取れそうにないんですよね」

その言葉を聞き、私は紙を抱えたまま部屋へ戻りました。休みも取れないほど忙しいなら、仕事について話を聞く時間までお願いするのは悪いと思ったからです。

数日後、父から「パパって呼ばなくなったな」と言われました。

「もう中学生だし」

そう答えました。本当はお願いをするために呼び方を変えたのですが、頼もうとしてやめたことまで話すのは恥ずかしく、そのままにしました。

代わりに頼んだ相手

課題の期限が近づき、私は通学路にある自転車屋の店主に仕事の話を聞きました。紙が完成しても、家では課題について話しませんでした。

それでも食卓に置いたのは、父に見てほしい気持ちが残っていたからだと思います。

「あの紙、読んだよ」

父にそう言われたとき、私は答えました。

「お父さん、忙しいって言ってたでしょ」

父があの日の電話を思い出したのは、そのときでした。

そして...

「聞いてくれたら、時間取ったよ」

父にそう言われ、私はうなずきました。忙しいという言葉だけを聞いて、頼めないと自分で決めてしまっていたことが分かりました。

呼び方は今も「お父さん」のままです。でも、あのとき渡せなかった紙のことを考えると、次に頼みたいことができたときは、居間の入口から引き返す前に声をかけたいと思っています。

(10代女性・中学生)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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