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創業90周年のフレッドが新章をスタート。ディレクター ヴァレリー・サミュエル氏が語る家族の歴史と挑戦

  • 2026.9.8
©︎FRED

「太陽のジュエラー」として世界中のファンを魅了し続けるメゾン、フレッド。創業90周年という節目を迎えた今年7月、その歴史と新作を披露する展示を東京で開催。アーティスティック・ディレクター兼副社長であり、創業者フレッド・サミュエルの孫娘でもあるヴァレリー・サミュエル氏が来日を果たしました。フレッドそのもののようなエネルギーを纏う彼女に、ハイジュエリーコレクションや職人との絆、そして現代を生きる女性たちへの想いを伺いました。

——お祖父様をテーマとした三部作“ムッシュ フレッド”に込められたメッセージは?

「このハイジュエリーのコレクションでは、メゾンのストーリーをしっかりと語りたいという想いがありました。第一弾は創業者である祖父フレッド・サミュエルのパーソナリティ、第二弾は彼が育ったアルゼンチン由来の光やカラーストーンへの愛を表現しました。そして最終章となる“ゴールデンライト”は、彼が大人になって過ごし、心から愛したフレンチリヴィエラの美しい夜からまた日が昇る光の流れを描いています。それは同時に、メゾンが90年という長い歴史を重ねてきた中でのサイクルの終焉も意味しています。終わりとともに新しい歴史が始まる、『また新しいフレッドの朝が来る』という希望のメッセージを込めたコレクションなのです」

——新しい挑戦が始まるのはとても楽しみです。チャレンジングな姿勢はフレッドの核となる部分ですね。

「祖父が1936年に創業した際、最初の名刺に掲げたタイトルは『モダンジュエラー クリエイター』でした。’50年代にジャン・コクトーらアーティストとコラボレーションするなど、彼は当時から非常にアバンギャルドだったのです。私も常に『もしフレッドならどう思うだろう?』と問いかけながら、前を向く姿勢を意識しています。

そして、父がいつも私に言っていた大切な言葉があります。『ジュエラーとして真剣に仕事に取り組むけれど、真剣になりすぎてはいけない』と。あまり堅くなりすぎていたら、“フォース10”のような斬新で前向きなコレクションも生まれていなかったでしょうね(笑)」

——確かに(笑)。あなたのデザインの過程についても教えてください。

「フレッドのDNAや歴史を大切にすることはもちろんですが、ジュエリーを作るプロセスは決して一直線(リニア)ではありません。語りたいストーリーからデザインが生まれることもあれば、一つの特別なストーンと出会い『この石を最も美しく見せるためにジュエリーを作りたい』という情熱から始まることもあります。感じられるすべてのインスピレーションや、石自体が持っている物語がクリエイションの源泉になっているのです」

——そうした石のストーリーを象徴するのが、スペシャルなイエローダイヤモンド“ソレイユ ドール”です。

「父と祖父は常に、『1977年のソレイユ ドールとの出会いは、仕事における一番の思い出だ』と語っていました。2021年にその石を再発見し、確認しに行った瞬間のまるで魔法にかかったような高揚感を鮮明に覚えています。かつて2人が感じた感情を、私もそのまま感じたのです。

今回、メゾンの90周年のために、歴史上初めてこのストーンをジュエリーとしてセットしました。1,000石以上のダイヤモンドを用い、石が秘めているエネルギーが解き放たれるようなデザインに仕上げています。非常に軽やかで肌に心地よく馴染む、特別な思い入れのあるピースです」

——まさにサヴォアフェールが息づいた作品。

「ええ、ハイジュエリーは卓越性(エクセレンス)の追求です。デザイン画という2Dの世界を立体的な3Dに落とし込み、美しく身につけられるジュエリーにするには、職人の高い技法との密接なコラボレーションが欠かせません。祖父はいつも『前から美しいのは当たり前。後ろから見てもしっかりと美しくなければならない』と言っていました。見えないディテールや着け心地にまで職人の繊細なノウハウが詰まっています」

——最後に、自分らしく輝こうとする25ans読者へメッセージをお願いします。

「“フォース10”に象徴されるように、私たちのジュエリーにはセーリングやスポーツに根ざした『勇気』『決断』『自分らしくあること』といった価値観が込められています。人生には時に嵐が来ることもありますが、フレッドのジュエリーは常に寄り添い、力を貸してくれる存在でありたいと思っています。

祖父は『フレッドを身につけると、自分の中のインナーライト(内なる光)が解き放たれる』と言っていました。読者の皆さんにお伝えしたいのは、『シャイにならずに、どんどんジュエリーを身につけて楽しんでください!』ということ。ジュエリーは自信とエンパワメントを与えてくれます。重ねづけをしたり、異素材を組み合わせたりして、自分らしい自由なスタイルで内なる輝きを楽しんでいただきたいです」

ヴァレリー・サミュエル氏

フレッドのアーティスティック・ディレクター兼副社長。フランス生まれ。パリ第二大学と米国宝石学会(GIA)で学位を取得。1993年にフレッドに入社し、クリエイション&マニュファクチャリング・ディレクターを務める。1997年にラリックに入社し、ジュエリー&ウオッチ部門を創設、2004年インターナショナル・マーケティング・ディレクターに就任。2010年からスワロフスキーのコレクションジュエリー・ウオッチ&アクセサリー担当副社長を務めた。

お問い合わせ先/フレッド カスタマーサービス tel.03-5635-7040

※この記事は、2026年9月8日時点のものです。

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