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「自宅の住所なんて教えたことがない」数年前に退職した社員から、正月に届いた1枚の年賀状に感じた違和感

  • 2026.9.7

面談では何度も話した。でも、それは仕事の時間だった

以前、会社で人事の仕事をしていたころの話です。社員から相談を受け、話を聞いて記録を残すことも、私の仕事の一つでした。

その方とも、何度か面談をしました。

「今日はどうされましたか」

私が聞くと、その方は少し黙ってから言いました。

「聞いてもらえるだけでいいんです」

「わかりました。時間は取ります」

話し方はいつも落ち着いていて、面談が終わると椅子をきちんと戻して帰っていくような方でした。

私も特別なことをしていたつもりはありません。相談を聞くのは仕事ですし、こちらから私生活の話をすることもありませんでした。

しばらくして、その方は会社を辞めました。

最後の日、廊下ですれ違ったときも、

「お世話になりました」

「お元気で」

それだけでした。

個人的な連絡先を交換したことも、自宅について話したこともありません。その後は何年も連絡がなく、私の中ではそれで終わった関係でした。

正月、年賀状の束の中に見覚えのある名前があった

それから数年後の正月でした。

玄関のポストから年賀状の束を取り出し、居間の机で一枚ずつ見ていたときです。

途中で、手が止まりました。

差出人の名前に見覚えがありました。

あの面談をしていた、元社員の方でした。

年賀状には、「あけましておめでとうございます」という、ごく普通の挨拶が書かれているだけでした。

恨み言もありません。何かを求める内容でもありません。

それでも、私はすぐには次の一枚へ進めませんでした。

宛名面には、私の自宅住所が書かれていたからです。

私はその方に、自宅の住所を教えたことがありません。

個人の電話番号も、メールアドレスも伝えていません。家に招いたこともなければ、住んでいる場所について詳しく話した記憶もありませんでした。

それなのに、年賀状は間違いなく自宅へ届いていました。

怖いというより、最初に浮かんだのは「どうして知っているんだろう」という疑問でした。

妻にも見せると、少し考えてから言いました。

「お世話になったから、年賀状を出したかっただけなのかもね」

そうなのかもしれません。

面談をしていたころも丁寧な方でしたし、悪意があったとは今でも思っていません。

返事は出しませんでした。その翌年も、その次の年も、年賀状が届くことはありませんでした。

結局、自宅の住所をどうやって知ったのかは分からないままです。

それ以来、正月に年賀状を取り出すと、以前より少しだけ差出人の名前を丁寧に見るようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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