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「暗いし、家まで送るよ」断っても改札の先までついてきた人。家とは逆方向へ進み続けた理由

  • 2026.9.8

同じ方向だから、と言われた帰り道

何年か前、職場の人たちと食事をした帰りのことです。

店を出たところで、一人の人から声をかけられました。

「途中まで一緒に行きましょう」

仕事では何度も助けてもらっていた人でした。

私がまだ段取りを覚えられなかったころも、さりげなく手を貸してくれたことがあります。

そのため、駅まで一緒に歩くことには何の抵抗もありませんでした。

ところが、改札を出てもその人は私の隣にいました。

「ここで大丈夫です。すぐそこなので」

そう伝えると、その人は笑って言いました。

「暗いし、家まで送るよ」

私はもう一度、「本当に大丈夫です」と断りました。それでも、その人は帰ろうとしませんでした。

強く言えばいいだけだったのかもしれません。

けれど、仕事で世話になっている相手です。

怒鳴られたわけでも、無理やり腕をつかまれたわけでもありません。

親切で言ってくれているだけなのかもしれない。そう思うと、これ以上強く拒むことができませんでした。

家とは違う方向へ、一時間ほど歩いた

私は家とは違う方向へ歩き始めました。

道を曲がり、少し遠回りをしても、その人は隣を歩いてきます。

「まだ帰らなくて大丈夫ですか」

私が聞くと、その人は「うん、平気」と答えました。

それからも歩き続けました。気づけば、一時間ほどたっていました。

何度目かに「本当にここで大丈夫です」と伝えると、その人はようやく帰っていきました。

その姿が見えなくなってから、私は自宅へ戻りました。

別の日、その人が、当時、私が働いていた飲食店に客として来たこともありました。

注文を終えたあともすぐには帰らず、レジから少し離れた場所に立ったまま、こちらを見ていました。

私が作業をしている間も、その人はそこにいました。気づけば一時間近くたっていました。

閉店が近づき、同僚が声をかけました。

「お客様、そろそろ閉店になりますので」

「ああ、はい」

その人は素直に帰っていきました。

触られたり、怒鳴られたりしたことは一度もありません。

今は職場も変わりました。それでも、年に一度ほど連絡が来ます。断ればそのときは終わりますが、しばらくするとまた連絡が来ます。

あの人に悪意があったのか、それとも本当に親切のつもりだったのか、今も分かりません。

ただ、夜に改札を出ると、ときどきあの帰り道を思い出します。家までの道を歩き始める前に、無意識に隣を確認してしまうことがあります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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