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「韓国文化通信」Vol.44 インディー・ロックバンド・Peach Truck Hijackers

  • 2026.9.7
「韓国文化通信」Vol.44 インディー・ロックバンド・Peach Truck Hijackers

パンク&DIY精神で遊び心を発揮

──結成の経緯を教えてください。

イ・チョンギョン

4人とも同じ大学のデザイン学部で出会いました。新学期初日に偶然集まり、一緒にスタジオへ入ったのが始まりです。そこからカバー曲の演奏、ライブ、オリジナル曲の制作へと発展し、自然な流れでここまで活動を続けてきました。

──皆さんのサウンドや歌詞からは、パンク特有の反骨精神が強く感じられます。学生時代には、どんなことに怒りや違和感を抱いていましたか。

チョンギョン

教会に熱心に通う親がいる家庭で育ったのですが、その中で、宗教に伴う保守的な価値観に違和感を覚えることが多かったです。また、高校生の頃は韓国でフェミニズムが大きな社会的テーマになっていて、性犯罪などの話を耳にするたび、もどかしさを感じていました。

イ・セジョン

私は保守的な地域で育ったことの影響もありますし、子供の頃には大きな手術を受けて、運動などやりたいことを思うようにできない制約があって、もどかしさを感じていました。でも、チョンギョンが書いた曲に出会ってからは、私も共感ができて、そういう感情を少しずつ解消できるようになりました。

──一方で、怒りや不安だけでなく、「愛を持って生き抜こう」という前向きなエネルギーも感じます。その力はどこから生まれるのでしょうか。

チョンギョン

4人で集まるとすごく楽しくて、その空気が自然と音楽にも表れているのだと思います。学生時代は怒りやもどかしさを抱えていましたが、怒り続けても自分が消耗するだけでした。だから今は、怒りを表現するにしても、自分が生き続けられるような形にしたいと思っています。

キム・ギュリ

ニュースを見てると怒っている人ばかりだし、「世の中ってこんなにひどいんだ」と感じて、疲れてしまいます。だからこそ、怒りをぶつけるだけでも、現実から目を背けるわけでもないチョンギョンの曲は、今の時代に必要とされているかもしれません。

──アルバムジャケットやグッズも自らデザインし、ZINEも制作していますよね。DIYの姿勢を大切にしているのでしょうか?

チョンギョン

「自分たちでやらなきゃ」という強いこだわりがあったわけではなく、もともと音楽より慣れている分野だったので、自然な流れでした。ほかの人に任せると、イメージ通りにならないこともありますが、自分たちで作れば意見がぶつかっても、最終的には全員が納得できるものになります。

セジョン

私たちの経験を一番よく理解しているのは私たち自身です。だからこそ、そのストーリーは自分たちの手で表現するのが一番素直に伝わると思っています。

ガレージロックやポストパンクなどを昇華させたデビュー作。ジャケットもメンバー自らデザインする。

──そうした活動のスタイルで、影響を受けたアーティストはいますか?

チョンギョン

Byul.orgというバンドです。音楽だけでなく、デザインや映像、ソフトウェア開発まで手がけています。私たちも昔「Byul.orgみたいにいろいろなことができるといいね」と話していました。

──音楽以外では、皆さんそれぞれ担当があるのでしょうか?

ギュリ

MVなど映像関係は主に私が担当しています。

チョンギョン

グラフィックは残りの3人で制作しています。イラストはセジョンと私が担当し、特にヴィンテージな雰囲気が必要なときは私が手がけることが多いです。

イ・ジョンヒョ

私は普段から今っぽいデザインをよく見ているので、その感覚を取り入れています。特にタイポグラフィを活用することが多いです。Instagram(@peachtruckhijackers)で公開している「Weekly Playlist」を見てもらえれば、メンバーそれぞれのデザインの個性も伝わると思います。

──今後の目標を教えてください。

チョンギョン

まずは納得のいくセカンドアルバムを作ることです。

ジョンヒョ

海外ツアーやもっと大きな会場で演奏することも目標ですが、何より今のように、自分たちでできることは自分たちの手で作るスタイルはこれからも大切にしていきたいです。そのやり方を続けられる余裕も持ち続けたいですね。

Peach Truck Hijackersが選ぶ、今の韓国を知る場所

「ソウル・新村(シンチョン)にあるパンク、ハードコア系のライブハウスです。まだシーンに知り合いもいなかった頃から、仲間として受け入れてくれました」(チョンギョン)。Instagram:@babydoll_seoul

profile

Peach Truck Hijackers

ピーチ・トラック・ハイジャッカーズ/メンバーは左から、キム・ギュリ(Ba)、イ・チョンギョン(Gt、Vo)、イ・ジョンヒョ(Gt)、イ・セジョン(Dr)。昨年、アルバム『Peach Truck Hijackers』でデビュー。今年の韓国大衆音楽賞で「今年の新人」など2部門にノミネート。

Baby Doll
住所:ソウル特別市西大門区ヨンセロ7アンギル26 B1 | 地図
Instagram:@babydoll_seoul

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