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読み聞かせの質問が続く会場。「主人の浮気で悩んでいます」突然出た思わぬ相談に、先生が返した短い一言

  • 2026.9.6
読み聞かせの質問が続く会場。「主人の浮気で悩んでいます」突然出た思わぬ相談に、先生が返した短い一言

逃げ続けたPTAの役員が、とうとう回ってきた

長男が小学生だったころの話です。

役員決めのたびにできるだけ目立たないようにしていたのですが、その年はとうとう順番が回ってきました。

ある日、学校で子ども向けの絵本を書いている方を講師に招いた集まりがあり、役員も運営の手伝いを兼ねて参加することになりました。

受付で資料を受け取り、私は端の席に座りました。

「終わったら、片づけもお願いしますね」

先に来ていた役員から小声で言われ、私は「はい」とうなずきました。

講師の先生の話は、読み聞かせについての内容でした。

子どもが選んだ本を否定しないことや、無理に最後まで読ませなくてもいいことなど、穏やかな話が続きます。

私は話を聞きながらも、正直なところ「無事に終わったら早く帰ろう」くらいにしか考えていませんでした。

質問の時間、後ろの席から手が挙がった

講演が終わると、質問の時間になりました。

「読み聞かせは何分くらいがいいですか」

「途中で子どもが飽きたら、どうしたらいいでしょうか」

先生は一つひとつ丁寧に答えていました。

そのあと、一人の女性が手を挙げました。

何か絵本について質問するのだと思っていたのですが、聞こえてきたのはまったく違う言葉でした。

「主人の浮気で悩んでいます」

一瞬、聞き間違えたのかと思いました。

女性は泣いているわけでも、取り乱しているわけでもありません。落ち着いた声で続けました。

「今、人に相談しているところなんですけど…」

なぜその場で先生に話そうと思ったのか、私には分かりませんでした。

誰かの手元で、資料の紙がかさりと鳴りました。

司会をしていた方も、すぐには言葉が出てこない様子でした。先生も女性のほうを見たまま、少し黙っていました。

ほんの数秒だったと思います。

けれど、それまで質問のたびに動いていた会場が、そのときだけ止まったように静かになりました。

やがて先生が、ゆっくり口を開きました。

「それは……大変ですね」

それ以上は踏み込まず、困ったような表情を浮かべていました。

二十年以上たっても覚えている、あの沈黙

集まりが終わり、片づけをしていると、近くにいた役員が小さな声で言いました。

「先生も、あれは何て答えたらいいか分からないよね」

「うん…難しいよね」

それで話は終わりました。

あれから二十年以上がたちました。

その日に聞いた絵本の話は、正直ほとんど覚えていません。それなのに、質問のあとに会場が静かになった数秒と、先生の困ったような声だけは今でも覚えています。

あの女性がその後どうなったのかは分かりません。

ただ、とても悩んでいたからこそ、あの場でも誰かに聞いてほしくなったのかもしれません。今は穏やかに暮らしていてくれたらと思います。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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