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「にらまなきゃよかった」イラっとして騒いでいる人をにらんでしまった。その後、友人から言われた正論とは

  • 2026.9.6
「にらまなきゃよかった」イラっとして騒いでいる人をにらんでしまった。その後、友人から言われた正論とは

何も起きるはずがない、と思っていた

高校生のころの話だ。学校の帰り、私は電車に乗り込み、発車を待っていた。

本数の少ない路線で、発車まではまだ数分あった。座席に座って窓の外を見ると、線路をはさんだ向かいのホームに、大きな声で騒いでいる人たちがいた。

何を話しているのかまでは分からない。ただ、笑い声だけがこちらまで聞こえてきた。

べつに私が何かされたわけではない。それなのに当時の私は、なんとなく面白くない気持ちになった。

こちらは電車の中にいる。間には線路もある。もうすぐ発車する。

だから何も起きるはずがない。そんな勝手な安心感があった。

私は窓越しに、その人たちをにらんだ。

ほんの数秒だったと思う。

すると一人がこちらに気づいた。笑っていた顔が止まり、まっすぐ私のほうを見る。

次に、その人がこちらを指さした。

隣にいた人たちも私のほうを見た。何か言っているようだったが、声までは聞こえない。

それでも、自分のことだというのは分かった。

そして数人が、急にホームの階段へ向かって走り出した。

向かい側にいたはずの人たちが動き始めた。その瞬間、さっきまであった「向こうにいるから大丈夫」という感覚が、一気になくなった。

発車を待たず、電車を降りた

私はすぐに席を立った。

「え、うそだろ」

思わず声が出た。

まだドアは開いていた。私は電車を降りると、その人たちから少しでも離れたくて、ホームを早足で移動した。

相手が本当にこちらへ来ようとしていたのかは分からない。階段へ走った理由も、今となっては確かめようがない。

ただ、その場に残って確認する気にはなれなかった。

私は人のいる場所まで離れ、しばらくそこで様子を見た。

結局、追いかけてくる人の姿を見ることはなかった。その間に、私が乗っていた電車は発車していった。

少し落ち着いてから、私は次の電車を待った。

ベンチに座っても、向かいのホームを見る気にはなれなかった。ずっと足元を見ていた。

(にらまなきゃよかった)

何年かして友人にこの話をすると、言われた。

「窓が一枚あるからって、安全とは限らないよ」

今なら、その通りだと思う。

面白半分で見知らぬ人をにらんだ私が悪かった。そして何より浅はかだったのは、自分で勝手に「ここまでは安全」と決めていたことだ。

窓がある。線路がある。もうすぐ電車が出る。

そんなものを、自分と相手の間にある絶対の境界だと思い込んでいた。

今でも電車や車の窓越しに誰かと目が合いそうになると、私はあの日のことを思い出して、先に目をそらす。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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