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「久しぶりに電話したくなっただけ」深夜1時にかかってきた旧友からの電話。毎月かかってくるようになった電話に感じた違和感

  • 2026.9.6
「久しぶりに電話したくなっただけ」深夜1時にかかってきた旧友からの電話。毎月かかってくるようになった電話に感じた違和感

枕もとの携帯が鳴ったのは、1時だった

十年ほど前に知り合った人がいた。

共通の話題があって、二度ほど一緒に出かけたことがある。

そのあとはお互いに仕事が忙しくなり、連絡は途切れた。

私は結婚して子どもも生まれ、その人のことはもう忘れていた。番号が残っていたことさえ、忘れていた。

ある夜、枕もとの携帯が鳴った。

時計を見ると、1時だった。何かあったのかと思って、私は出た。

「久しぶりに電話したくなっただけ」そういう電話だった。

急ぎでも、相談でもなく、ただ、かけてきたということだった。

「え、何かあった?」

「ううん、何もないよ」

用事はなかった。話すことがあってかけてきたのではなかった。

それでも私も懐かしくて、少し話してから切った。

天気の話をして、昔の共通の話題をひとつ思い出して、それで終わりだった。

私は、懐かしかったのだと思った。

そういうこともある、と思った。

出るまで、毎日かかってくる

それから、月に1度、同じ時間に枕もとの携帯が鳴るようになった。

ある夜、子どもが寝ていたので出なかった。

翌日の、同じ時間に鳴った。

そこでも出なかったら、また翌日に鳴った。

出るまで毎日かかってくる。そういう形だった。

着信履歴には、同じ名前と同じ時間だけが、縦にならんでいった。

出てみると、また用事はなかった。

「元気にしてる?」

「うん、してるよ」

「そう、よかった」

私は、寂しいのかもしれない、と思おうとした。

夫にだけ話した。

「なんの用なの、それ」

夫はそう言っただけで、それ以上は何もしなかった。

それきり夫はこの話を持ち出さず、私も言わなくなった。

子どももいるし、深夜に家の中で音が鳴るのも困る。

一度だけ、はっきりお願いした。

「これから電話は控えてほしい、と1度だけお願いした」

「わかった、ごめんね」

相手は素直に受け入れて、電話を切った。それで、止まった。

三か月して、また枕もとの携帯が鳴った。

同じ時間だった。出ないと翌日、また出ないとまた翌日。

形まで同じだった。止まっていた三か月のあいだのことを、相手は何も言わなかった。

私は、そのとき何も思えなかった。

申し訳ないと思いながら、着信を拒否した。

それから、鳴っていない。悪い人ではなかったと思う。

二度出かけたときも、普通だった。それでも今も、夜中に携帯が光ると、先に時計のほうを見てしまう。

あの人が何を話したかったのかは、今も分からない。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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