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「動画なんて撮っても、あとからそんなに見ないから」混雑している夜景スポット。だが、現地スタッフの一言に笑ったワケ

  • 2026.9.5

もっとゆっくり見られると思っていた

新婚旅行で、きれいな夜景で知られる山の展望台を訪れたことがあります。

旅行前に写真を見てからずっと楽しみにしていた場所でした。山の上から街を見下ろせば、たくさんの明かりが一面に広がっている。

夫と二人で、ゆっくり眺められたらいいなと思っていました。

ところが、山頂へ着いてみると想像以上の人でした。

夜景がよく見える場所には何列もの人が並び、前へ進むのも少しずつ。手すりの近くでは、ほとんどの人が携帯を掲げて写真や動画を撮っています。

「すごい人だね。もっとゆっくり見られると思ってた」

私が小声で言うと、夫も苦笑しながらうなずきました。

現地スタッフから聞こえた一声

展望台では、現地スタッフの方が混雑を整理していました。

夜景の見える場所に人が集中しているため、撮影が終わった人には、後ろで待っている人にも場所を譲るよう繰り返し声をかけています。

その中で、今でも覚えている言葉がありました。

「動画なんて撮っても、あとからそんなに見ないから」

「少し撮ったら、次の方にも場所を譲ってください」

私は思わず、構えていた携帯から顔を上げました。

隣を見ると、夫も笑いをこらえています。

「ちょっと分かる気がする」

夫がそう言うので、私もつられて笑ってしまいました。

周りを見れば、みんな少しでもきれいに残そうと携帯を構えています。もちろん、私たちもその中の一組でした。

やがて順番が来て、夜景の見える場所まで進みました。

目の前には、街の明かりが遠くまで広がっています。私は短く動画を撮ると、携帯を下ろしました。

画面越しで見るより、そのまま目で見たほうがずっときれいでした。

しばらく眺めてから場所を空けると、後ろで待っていた人が前へ進みます。

「ありがとうございます。次の方どうぞ」

スタッフの方の声が、また聞こえてきました。

帰り道、夫が「あの人、ずっと同じこと言ってるんだろうね」と言いました。

「たぶんね」

あれから何年か経ちますが、あの日に撮った動画は一度くらいしか見返していません。

それなのに、展望台で聞いた「あとからそんなに見ないから」という一言は、今でも妙に覚えています。

旅先でつい長く動画を撮りそうになると、あの声を思い出して携帯を下ろすことがあります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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