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「土地を手放してくれませんか?」突如訪問してきた友人の両親。だが、思わぬ相談に感じた違和感とは

  • 2026.9.4

入学したばかりなのに、何度も誘ってくれた

小学校に入学したばかりのころ、同じクラスの女の子によく声をかけられていました。

「今日、うちに遊びに来ない?」

まだクラスメートの名前も覚えきれていない時期でした。それでも、その子は帰りの支度をすると私のところへ来て、何度も家へ誘ってくれました。

勉強も運動も得意で、書道や珠算など、いくつもの習い事をしている子でした。周りにはほかにも友達がいたので、どうして私をよく誘ってくれるのだろうと思うこともありました。

ただ当時の私は、仲良くしてもらえることが素直にうれしかったのです。

その子の家へ行くと、居間にはオルガンが置いてありました。

「珠算もオルガンも教えてあげる。一緒にやろうよ」

そう言って、その子は得意そうに鍵盤を弾いて見せてくれました。私が「すごいね」と言うと、少し照れたように笑っていました。

帰るときには、私の家の近くまで一緒に歩いてくれることもありました。

「また明日ね」

門の前で手を振り、私が家に入るまでそのあたりに立っていることもありました。当時は、それも仲がいいからだと思っていました。

一年ほど経った日曜、友達ではなく両親が来た

そんな付き合いが一年ほど続いたころです。

ある日曜の午前、家のチャイムが鳴りました。玄関に来ていたのは、その子ではなく、ご両親でした。

父が応対すると、二人はしばらく世間話をしたあと、家や土地の話を始めました。

「実はこの辺りで家を建てることを考えていまして」

「土地を手放してくれませんか?」

そして、うちの土地について、もし手放す予定があるなら相談できないだろうか、と父に尋ねたのです。

突然の話に、父も驚いた様子でした。

さらに会話の途中で、相手のお母さんが何気なくこう言いました。

「娘も、いつも仲良くしていただいているでしょう」

廊下の奥で話を聞いていた私は、その一言が妙に引っかかりました。

もちろん、土地の話と私たちの付き合いが本当に関係していたのかは分かりません。

それでも、入学したばかりのころから何度も家へ誘われたことや、私の家の近くまで一緒に帰ってきたことを思い出してしまいました。

「あの子、よくうちの前まで来てたものね」

あとで母も、少し不思議そうに言いました。

それまでと同じようには遊ばなくなった

土地の話がまとまることはありませんでした。

その後、なぜかその子から家へ誘われることも少なくなりました。

学校では普通に顔を合わせます。話せばいつもと変わりません。それでも、以前のように放課後を一緒に過ごすことはなくなっていきました。

私はしばらく、「もしかして、最初から家のことを聞かれていたのかな」と考えていました。

けれど、本人に聞いたわけではありません。

その子自身は何も知らず、ただ私と遊びたかっただけだったのかもしれません。ご両親の土地の話と、子ども同士の付き合いが偶然重なっただけだった可能性もあります。

今となっては、確かめる方法もありません。

それでもオルガンの音を耳にすると、ときどきあのころを思い出します。楽しかった記憶まで疑いたくはないのに、あの日の玄関先の会話だけは、今でも妙に心に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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