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「今日ってことは夜の12時まで、1分過ぎたらダメなの?」生菓子の期限を何度も確かめるお客様。だが、お客様が質問攻めにする理由

  • 2026.9.3

「本日中です」と伝えたところから始まった

洋菓子店で働いていたころの話です。私がいた店では、生クリームや果物を使った生菓子については、基本的に「本日中にお召し上がりください」と案内していました。

その日、ショーケースの前で長い時間迷っているお客様がいました。商品札を何度も確認しながら、ようやくケーキをいくつか選び、レジへ来られました。

私が箱に詰めながら、いつものようにお伝えしました。

「こちらは、本日中にお召し上がりください」

すると、お客様がすぐに聞き返しました。

「本日中って、今日までってこと?」

「はい。できるだけ早めにお召し上がりいただくようお願いしています」

ところが、その説明ではまだ足りなかったようです。

「早めって、何時くらい?」

私は少し迷いました。店から案内されているのは「本日中」ということだけで、何時までなら絶対に大丈夫、と細かな時刻まで決められているわけではありません。

「時間を決めているわけではないのですが、日付をまたいで大丈夫とはご案内できないんです」

すると、お客様は少し考えてから、さらに聞きました。

「じゃあ、今日ってことは夜の12時まで、1分過ぎたらダメなの?」

聞きたいのは「何時」ではなかった

一瞬、どう答えればいいのか困りました。

食品ですから、時計が0時を指した瞬間に急に何かが変わるわけではありません。かといって、私の判断で「日付をまたいでも大丈夫です」と答えることもできません。

そこで、今度は曖昧にせず伝えました。

「0時1分になったら急に食べられなくなる、という意味ではありません。ただ、お店としては本日中までとご案内しています。できるだけ早めに召し上がっていただければと思います」

すると、お客様は「ああ」と小さくうなずきました。

「そういうことね。大丈夫って言われても、どこまで大丈夫なのか分からなくて」

そこで初めて、何度も質問された理由が分かりました。細かい時刻を知りたかったのではなく、店としてどこまで言えるのかを確認したかったのです。

「すみません、最初からそう説明すればよかったですね」

そう言うと、お客様も少し笑って、「分かればいいのよ」と箱を受け取って帰っていかれました。

曖昧に答えないことも、接客のひとつでした

横で袋を準備していた先輩が、お客様が帰ったあとに言いました。

「ああいうときは、無理に時間を決めずに、お店として案内できるところまで伝えればいいんだよ」

その言葉に、私も納得しました。

それまでは、角が立たないように「なるべく早めに」「大丈夫だと思います」と柔らかく答えることばかり考えていました。でも、曖昧な言葉ほど不安になる人もいます。

それ以来、分からないことを無理に言い切るのではなく、「店として案内できるのはここまでです」と伝えるようになりました。

何度も続いた質問は少し意外でしたが、接客では、相手が何を知りたがっているのかを考えることも大切なのだと知った出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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