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「またエンジンかけっぱなし。響くのよね」迷惑そうにしている隣人の一言。それをきっかけに父がやめた習慣

  • 2026.9.3

夕方になると、父はしばらく車の中にいた

家の前には、父の車が停めてあります。

父には、仕事から帰ってきてもすぐには家に入らず、しばらく車の中で過ごす癖がありました。ラジオを聞いたり、スマートフォンを見たりしてから玄関に入ってきます。

「ちょっとくらい、ぼーっとする時間が欲しいんや」

そう言われれば、私も母も特に何も言いませんでした。

ただ、夏や冬はエアコンを使うため、その間はエンジンをかけたままです。長いときには十数分ほど、低いエンジン音が家の前で続いていました。

ある夕方、私が庭で洗濯物を取り込んでいたときのことです。

隣の家の庭から、高齢の女性の声が聞こえてきました。

「ああ、またエンジンかけっぱなし。響くのよね」

こちらに向かって言ったわけではありません。誰かに聞かせようとしたというより、思わず口からこぼれたような声でした。

私は洗濯物を持ったまま、思わず父の車を見ました。

エンジンは、いつものようにかかったままでした。

家に入り、母に聞いてみました。

「ねえ、お父さんの車って、そんなに音するかな」

母は少し考えてから首をかしげました。

「私は気になったことないけど……。毎日聞いてるから慣れてるだけかな」

その言葉を聞いて、余計に気になりました。

少し場所を変えただけで、聞こえ方がまるで違った

翌日、父がいつものように車のエンジンをかけたまま中にいるとき、私は家の前の道路を少し歩いてみました。

隣の家に近いところまで来ると、思っていた以上に低い音が響いています。

大きな音というより、「ブーン」という低い音が途切れずに残る感じでした。

自宅の中ではほとんど気にならなかったので、少し驚きました。

家に戻ると、私は父に声をかけました。

「お父さん、車の音さ、隣のほうまで結構響いてるよ」

父はきょとんとしました。

「え?そんなうるさいか?」

「私も今まで気にならなかった。でも向こう側で聞いたら、ずっと低い音が残るねん」

「普通のエンジン音やろ」

少し納得していない顔だったので、私は言いました。

「一回、自分で聞いてみてよ。家の中で聞くのと全然違うから」

父は「そこまで言うなら」と言って外へ出ていきました。

少しして戻ってくると、さっきまでより声の勢いがなくなっていました。

「……ああ、あっちまで行くと結構聞こえるな」

「やっぱり?」

「毎日あれやったら、気になる人は気になるか」

父はそう言って、その日から家の前で長くエンジンをかけたまま過ごすのをやめました。

帰宅後に少し休みたい日は、エンジンを切ってから車内に残るか、そのまま家に入るようになりました。

隣の女性から直接何かを言われたことはありません。その後も顔を合わせれば、以前と変わらず挨拶をしています。

父も、近所に迷惑をかけようとしていたわけではありません。私たち家族も、毎日のことになっていて音を意識しなくなっていただけでした。

自分には気にならない音でも、少し場所が変われば、誰かにはずっと耳に残ることがあります。

あの日、言い返したり決めつけたりする前に、自分で聞こえる場所まで行って確かめてみてよかったと思っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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