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「差額だけ返してもらえません?」買った直後に弁当が2割引き。だが、納得できない客に店員が伝えたこと

  • 2026.9.3
「差額だけ返してもらえません?」買った直後に弁当が2割引き。だが、納得できない客に店員が伝えたこと

会計を終えた客が戻ってきた

スーパーで働いて、もう二十年近くになります。その日の夕方、レジに入っていたのは、まだ働き始めて半年ほどの若い後輩でした。

仕事帰りらしい女性のお客様が、お弁当と飲み物を持ってレジへやってきました。

「今日はもう作る気力なくて。こういう日は助かりますね」

お客様が苦笑すると、後輩も「分かります。お疲れさまです」と笑って会計を済ませました。

そこまでは、ごく普通のやり取りでした。

ところが十分ほどして、そのお客様が再びレジへ戻ってきたのです。

手には先ほど買った弁当とレシートを持っています。

「すみません。ちょっと聞きたいんですけど…」

最初は穏やかな声でした。

「今、同じお弁当に2割引きのシールが貼ってありますよね?」

後輩が売り場を見ると、ちょうど担当者が残っていた弁当に値引きシールを貼り始めたところでした。

「はい、先ほど値引きが始まったようです」

すると、お客様はレシートを差し出しました。

「私、これ買ったの、ほんの少し前なんです。だったら差額だけ返してもらえません?」

「数分違っただけでしょう?」

後輩は困った顔になりました。

「申し訳ありません。お会計が終わった商品のあとからの値引きはできないんです」

「でも、まだ開けてもいないんですよ?」

「はい。ただ…購入されたときの価格でのお会計になりますので」

お客様は納得できない様子で、売り場とレシートを何度も見比べました。

「だって、数分違っただけでしょう?もうちょっと待ってれば安く買えたってことですよね」

声が少しずつ強くなり、後輩もどう説明すればいいのか迷っているようでした。

近くでそのやり取りを聞いていた私は、レジへ向かいました。

「お待たせしてすみません。買った直後に値引きされていたら、嫌ですよね」

そう声をかけると、お客様は私のほうを見ました。

「そうなんです。別に大金じゃないんですよ。でも、さっき買ったばっかりなのにって思っちゃって」

先ほどよりも、少し落ち着いた声でした。

気持ちと対応は分けて伝えた

「お気持ちは分かります。ただ、値引きは売り場にシールを貼ったあとの商品が対象になるので、すでにお会計が終わった分をあとから同じ価格にすることはできないんです」

お客様はしばらく黙っていました。

「じゃあ、一回返品して買い直すのも駄目?」

「値引きを受けるためだけの返品という形では、お受けしていないんです。すみません」

できるだけ責めるような言い方にならないよう、ゆっくり伝えました。

すると、お客様は小さく息を吐きました。

「……そっか。まあ、そうなりますよね」

そしてレシートを財布へ戻すと、少し照れたように笑いました。

「ごめんなさいね。仕事帰りで疲れてたから、なんか妙に悔しくなっちゃって」

「いえ。声をかけていただいて大丈夫ですよ」

お客様は「じゃあ、今日はこれ食べて早く寝ます」と言って、そのまま帰っていきました。

後輩はお客様が見えなくなると、ようやく肩の力を抜きました。

「私、だんだん怒らせてる気がして、何を言えばいいのか分からなくなりました」

「そういうときは、最初に『それは悔しいですよね』って気持ちだけ受け止めてもいいんだよ。できないことまで引き受けなくていいから」

「なるほど……それなら私にも言えそうです」

決まりを守ることと、お客様の気持ちを無視することは同じではありません。長く接客をしていても、その伝え方は毎回考えさせられます。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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