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「さっきからずっと立ちっぱなしじゃん」古希祝いで女性陣に任せきりだった義父。だが、夫がかけた一言で空気が一変

  • 2026.9.2

初めての義実家で始まった用事

夫の父は遠い土地で一人暮らしをしていて、結婚してからも顔を合わせる機会はめったにありませんでした。

その義父が古希を迎えることになり、私たち夫婦と、夫の妹夫婦とで、お祝いに集まることになったのです。

初めてお邪魔する家でした。どこに何があるのかも分からず、勝手も知れません。それでも何か手伝わなければと思い、義妹と二人で台所を借りてお茶を入れ、いただいてきたお菓子を皿に並べました。

座布団に腰を下ろした義父は、そんな私たちを見ながら戸棚を指さしました。

「ああ、お茶もお菓子もそこにあるから。好きに使ってくれていいよ」

「分かりました。ありがとうございます」

最初は、置き場所を教えてくれたのだと思っていました。

ところが、しばらくすると義父が空になった湯のみを持ち上げます。

「悪いな。もう一杯もらってもいいか?」

「はい、今入れますね」

お茶を運んで戻ってくると、今度は菓子皿を見ながら、

「あ、そのお菓子ももう少し出してくれるか。せっかくあるんだからさ」

と義父。

義妹が「うん、分かった」と立ち上がります。

そのあとも、「湯のみ、もう一つあるかな」「こっちの皿も使っていいぞ」と声がかかり、気づけば私と義妹ばかりが台所と居間を行き来していました。

夫が気づいた、二人が座れない席

せっかくのお祝いなのに、私はなかなか腰を落ち着けられません。

義妹と台所ですれ違ったとき、彼女が小さく笑いました。

「なんか、ずっと動いてるね、私たち」

「本当だね。座ったと思ったら、また呼ばれるね」

責めるほどのことではないと思いながらも、二人とも少し疲れていました。

また義父が、「悪いけど、お茶もう一杯頼めるか」と声をかけたときです。

それまで話をしていた夫が、私より先に立ち上がりました。

「あ、もういいって。俺やるよ」

義父が驚いたように夫を見ます。

「いや、お前は座ってろよ。せっかく来たんだから」

すると夫は、私と義妹のほうを見て少し苦笑しました。

「それ言うなら、この二人だって同じだろ。さっきからずっと立ちっぱなしじゃん」

義父は一瞬、言葉を止めました。

「いや……俺は別に、そんなつもりじゃ……」

「分かってるよ。ただ、せっかくみんなで来たんだからさ。二人にも座ってもらおうよ」

夫がそう言うと、義妹の夫も「じゃあ、僕も手伝いますよ。お茶くらい入れられますから」と笑いながら立ち上がりました。

義父は少し気まずそうに頭をかきました。

「そうか。じゃあ…悪かったな。何でも頼んじゃって」

義妹が笑って、「いいけど、私も今日はちょっと座らせてよ」と返すと、義父も照れたように笑いました。

「はいはい」

それからは、お茶を運ぶのも皿を下げるのも、夫たちが自然に引き受けてくれました。

私と義妹もようやく座布団に腰を下ろし、改めてみんなで義父を囲みます。

「お父さん、古希おめでとうございます」

そう声をそろえると、義父は少し照れながら、

「ありがとう。こうやってみんな来てくれただけで十分だよ」

と笑いました。

義父には、私たちを困らせようという気持ちはなかったのでしょう。ただ、家に女性がいると、つい任せてしまうのが当たり前になっていたのかもしれません。

その空気に気づき、責めるのではなくさらりと動いてくれた夫を見て、その日はいつもより少し頼もしく感じました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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