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「咳のことを直接言うのも違う気がして」夜中の音で眠れなかった私。だが、苦情ではなく相談を選んだ理由

  • 2026.9.2

夜中になると、隣の窓から音が聞こえてきた

引っ越した先は、古いけれど静かなマンションだった。

隣の部屋には、高齢の男性が一人で暮らしていた。廊下で顔を合わせれば挨拶をする程度の間柄だったが、いつも穏やかに会釈をしてくれる方だった。

「おはようございます」

「おはようございます。今日は暖かいですね」

そんな短いやり取りをするだけで、特に困ることもなく過ごしていた。

ところが、住みはじめてしばらくしたころから、夜中に大きな咳き込みが聞こえるようになった。

隣の部屋の窓かベランダのあたりから聞こえてくるようで、こちらが窓を閉めていても、静かな夜にはかなりはっきり届いた。

一度で終わる夜もあれば、夜中から明け方にかけて何度も続くこともあった。

最初は「大丈夫かな」と心配していた。でも、音がするたびに目が覚めるようになり、そのうち咳が始まる前から気になって眠れなくなった。

それでも、本人に「咳がうるさいです」とはとても言えなかった。

わざとしているわけではない。体調のことなのかもしれない。そう思うほど、どうしたらいいのか分からなくなった。

「直接言うのも違う気がして」と管理会社に相談した

眠れない日が何週間か続き、昼間も頭がぼんやりするようになった。

そこで私は、マンションの管理会社へ電話をかけた。

「すみません、騒音という言い方でいいのか分からないんですけど…相談してもいいですか」

担当者が「もちろんです。どうされましたか」と聞いてくれた。

私は、夜中に隣の窓側から咳き込む音が聞こえてきて、眠れない日があることを伝えた。

「でも、咳のことを直接言うのも違う気がして…。相手に注意してほしいというより、こちらで何かできないかなと思って」

担当者は少し考えてから答えた。

「それなら、まずお部屋の窓の状態を確認してみましょうか。古いサッシなので、外から音が入りやすいのかもしれません」

数日後、管理会社の担当者が部屋を見に来た。

窓を確認したあと、「内窓を付ければ、今より音が入りにくくなる可能性があります」と説明された。

「ただ、こちらだけでは決められないので、建物の所有者に確認しますね」

「お願いします」

さらに数日後、工事の了承が取れたと連絡があった。

翌月、窓の内側にもう一枚窓を付けてもらった。

その夜も、隣から咳き込む音は聞こえた。

でも、以前よりずっと遠く感じた。何度か目を覚ますことはあっても、そのまま眠り直せるようになった。

隣の男性とは、その後も廊下ですれ違えば普通に挨拶をした。

「おはようございます」

相手を責めずに済んだことにも、私はほっとしていた。

変えてもらったのは相手ではなく、自分の部屋だった。それだけで眠れるようになることもあるのだと、二枚になった窓を見るたびに思う。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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