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「え、これ並ぶの?」行列嫌いの夫。数か月後、夫の心境が変わったワケ

  • 2026.9.1

列は建物の角まで伸びていた

家族で、住宅展示場のイベントに出かけた日のことです。

夫は昔から待つのが苦手な人で、飲食店でも行列を見ると、すぐに「ほかにしよう」と言います。

その日は、会場の隅にある売店のアイスがどうしても食べたくて、私は長い列の最後尾に並びました。

すると夫が列を見ながら、少し嫌そうな顔をします。

「え、これ並ぶの?」

「うん。せっかく来たし、食べてみたい」

「でも、結構かかりそうじゃない?」

夫は子どもと少し離れた場所で待つことになりました。

しばらくすると、またこちらへ来ます。

「まだなの?もういいんじゃない?」

「ここまで並んだんだから、もうちょっと待つよ」

「俺だったら、そこまでして食べなくていいけどなあ」

責めるような口調ではありません。ただ、待っている間に何度も同じようなことを言われると、私もだんだん居心地が悪くなってきました。

子どもも途中で飽きてしまい、夫のところと私のところを行ったり来たりしています。

ようやく順番が来て、アイスを受け取りました。

ひと口食べると、思っていた以上においしくて、「並んでよかった」と思いました。

けれど夫はまだ少し不機嫌そうでした。

私が食べたいと言ったせいで二人を待たせてしまったのも事実です。その日は、それ以上何も言いませんでした。

数か月後、今度は夫が列を見つめていた

それから数か月後、家族で別のイベントへ出かけました。

会場を歩いていると、夫が突然足を止めます。

その先には、長い行列ができていました。

夫が前から「一度食べてみたい」と話していたものを売っている店です。

私はてっきり、いつものように「やめよう」と言うのだと思っていました。

ところが夫は列の先をのぞき込みながら、しばらく考えています。

「……これ、結構並ぶよな」

「並ぶの?」

私が聞くと、夫はもう一度店のほうを見ました。

「うーん……でも、ここまで来たしな。俺、並んでくるわ」

思わず私は夫の顔を見ました。

「並ぶんだ?」

「食べたいからな」

夫は少し照れたように笑って、最後尾へ向かいました。

私と子どもは近くのベンチで待つことにしました。

最初は平気そうだった夫も、しばらくすると何度も列の先をのぞくようになります。こちらを見て、困ったような顔をしました。

私は笑いながら声をかけました。

「まだまだ?」

夫も苦笑いします。

「長いな、これ。思ったより進まないわ」

「でも、食べたいんでしょ?」

「……食べたい」

その返事がおかしくて、私は思わず笑ってしまいました。

ようやく買えたものを、夫は歩きながらうれしそうに食べていました。

「どう?」

「うまい。これは並んでよかったかも」

そう言ったあと、夫が少し黙りました。

そして、こちらを見て言います。

「……この前のアイスのとき、俺、横でうるさかったよな」

急に言われて、私は少し驚きました。

「まあ、何回も『まだ?』って言われたね」

「今なら分かるわ。食べたいときは、待つんだな」

大げさに謝られたわけではありません。それでも、自分で並んでみて初めて分かったことがあったようです。

それ以来、夫は行列を見ても、すぐに「別のところにしよう」とは言わなくなりました。

「これ、並ぶ?」

まず、そう聞いてくれるようになりました。

待てる時間は、その人がどれだけ食べたいかで変わるものなのかもしれません。今では夫のほうが、私より長い列に平気で並んでいることもあります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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