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「若いのに、いい車だね」ハリアーを営業の武器にした27歳男性…背伸びが変えた“意外な結末”

  • 2026.9.15
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

憧れのハリアーを手に入れれば、格好いい男になれるかもしれない。そんな少しの「見栄」から車を購入した27歳の住宅営業マン、Aさんのお話です。しかし、納車から1か月後、休日の駐車場で彼が直面した思わぬ現実とは。

背伸びをして手に入れた愛車が教えてくれた、思い描いていたのとは少し違う意外な真実をご紹介します。

憧れのハリアー納車から1か月。休日の駐車場で直面した思わぬ現実

Aさんは住宅メーカーで忙しい日々を送る、27歳の若手営業マンです。彼は少し前に、念願だったトヨタのハリアーを購入しました。洗練されたデザインと上質な空間を持つ真新しい愛車を前に、毎日の通勤さえも誇らしく感じるような、充実した新車ライフをスタートさせていたといいます。

そんな納車からおよそ1か月が過ぎた頃、彼は休日の買い物を楽しむため、郊外の大型ショッピングモールへと向かいました。無事に買い物を終え、満足感とともに駐車場へ戻ってきたときのことです。彼はそこで、思わぬ現実に直面することになります。

たしかこの辺りに止めたはずだと記憶を頼りに歩を進めると、そこには彼と同じ、白や黒のハリアーが複数台並んでいたそうです。自分の車がどれなのか瞬時に見分けることができず、スマートキーを何度も押しては、ハザードランプの点滅を頼りに車を探すことになってしまいました。

ようやく見つけて近づいたものの、なんと別のオーナーと鉢合わせてしまい、気まずい会釈を交わすという少し恥ずかしい体験をしたそうです。特別な1台を買ったつもりだったにもかかわらず、これほどまでに多くの人が同じ車に乗っているのかと気づき、彼は少し複雑な心境になったと振り返ります。

若手営業マンが、少し背伸びをしてまで「品格」を求めた理由

では、そもそもなぜ彼は、それほどまでに特別感や品格を備えた車を求めたのでしょうか。その背景には、高額な住宅を販売するという、彼の職業特有の事情があったようです。

住宅営業という仕事は、単に建物を売るだけでなく、お客様からの信頼を得ることが何よりも重要視される世界だといいます。お客様は担当者の身だしなみや所作から、この人に人生の大きな買い物を任せても大丈夫だろうかと、常に目を光らせているものなのかもしれません。

27歳のAさんは、ベテラン社員と比べると経験が浅く、お客様から若さを理由に不安を持たれるのではないかと、常にプレッシャーを感じていたそうです。彼の会社ではマイカーの営業利用が許可されており、お客様をモデルハウスや建築予定地へ案内する際、車内は二人きりで過ごすもう一つの商談空間になります。

だからこそ彼は、若さや経験不足を補い、センスの良い家を提案してくれそうだと無言で伝えてくれるような、上質で品格のある車が必要だと考えたそうです。そこには、少し背伸びをしてでも自分を大きく、そして頼りがいのある営業マンに見せたいという、仕事に対する切実な思いと少しの見栄が含まれていたようです。

別の車と迷い抜いた末に手に入れた、確かな「営業の武器」

そのような切実な思いを抱えていた彼ですが、購入時には別の車と激しく迷った時期もあったそうです。比較検討していたのはマツダのCX-60で、その力強く堂々とした存在感にも強く惹かれていたといいます。

それでも最終的にハリアーを選んだ決め手は、洗練された内装の質感や静粛性の高さ、そして運転席に座ったときに感じられる、優しく守られているような安心感だったそうです。この車に乗っている自分を想像したとき、少し仕事ができる人間に見えそうだと、当時の期待に胸を膨らませていたと語ります。

そして納車後、その期待は少しずつ現実のものになっていったようです。年配のお客様を案内した際、「若いのにしっかりした良い車に乗っているね」と褒められる機会があり、そこから自然と会話が弾むことも増えたそうです。

また、夕暮れの静かで落ち着いた車内でお客様を自宅まで送る道中、明るい商談部屋ではなかなか聞けなかった家族への思いや本音を引き出せたこともあったといいます。彼はその瞬間、少し無理をしてでもこの車を買って間違いなかったと、ハリアーを自身の営業活動を支える強力な武器として確かに実感したようです。

街中にあふれる同志たちと、上質な内装を泥から守る過保護な日常

営業の武器として確かな手応えを感じる一方で、休日の駐車場で気づいた「ハリアーの圧倒的な人気」という想定外の事実と向き合うことになります。通勤中や街角など、日常のさまざまな場面で同じ車とすれ違う日々が続き、最初は自分だけの特別感が薄れたように感じて落ち込んでいたそうです。

しかし、彼は住宅営業のプロフェッショナルとして、あることに思い至ります。多くの人に選ばれる定番の間取りが優れているように、車もまた、幅広い人に受け入れられる高い完成度と安心感があるからこそ売れるのだと気づいたのです。それ以来、すれ違う同じ車に対して、良い車を選んだ同志だなと、温かい親近感を覚えるまでになったといいます。

そのような前向きな心の変化があった彼ですが、現在最も悩まされているのは、上質な内装を絶対に汚したくないという強すぎる思いのようです。

仕事柄、建築中の現場へ足を運ぶことが多い彼は、以前の車では気にしなかった靴底の泥や汚れを、乗車前に必死に叩き落とすようになったそうです。仕事用バッグの金具でシートを傷つけないよう置き場所に気を遣い、お客様を乗せる直前には窓やシートを念入りに拭き上げるといいます。

お客様の靴がドアの内張りに近づくたびに、心の中で焦りながら営業スマイルを作っているそうです。家を売る際には、「暮らしの傷も味になりますよ」と優しく語る彼が、自分の車にはまだ全く寛容になれないという状況は、少し微笑ましくも感じられます。

格好のつく車が教えてくれた、自分自身を律して成長していくということ

27歳の彼にとって、ハリアーのローンや維持費、そして内装を美しく保つための労力は、決して楽なものではないようです。気軽に扱える道具ではなく、常に気を配らなければならない存在となっています。

それでも、毎朝ピカピカに磨かれた愛車の運転席に座り、静かにエンジンをかけるたびに、「今日も一日この車に恥じない仕事をしよう」と、自然に仕事へのスイッチが入るようになったと語ります。

当初、格好のいい車に乗れば自分も格好よく見えるかもしれないと思って購入に踏み切った彼ですが、現実は少し違っていたのかもしれません。車内を常にきれいに整え、お客様を迎える前に身だしなみを意識し、丁寧な運転を心がける。そうした車に見合う自分になろうとする毎日の小さな努力の積み重ねこそが、彼自身を少しずつ立派な営業マンへと育てているのではないでしょうか。

現在も、彼は毎朝の車内で仕事への覚悟を決めているといいます。しかし、建築現場から戻ると、相変わらず車の前で必死に靴底の泥を叩き落としているそうです。本当に余裕のある格好いい男になるためには、泥の付いた靴を前にしても営業スマイルを崩さない練習が、もう少しだけ必要なのかもしれません。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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